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情報モラル教育指導者セミナーを受講した

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
今回、「情報モラル教育指導者セミナー」に参加しました。気になった内容を書き記しておきます。太字が講座内容、細字は自分の感想

ICT機器に触れる時間を増やただけでは、情報モラルは向上しない。子ども達は、SNS上の悪口やスマホの長時間利用は「悪いこと」という知識は持っている。しかし、行動変容しない。

確かに、私の周りの生徒も、チェーンメールのような「悪いことと知らなかったから、やってしまった!」ということは、ほぼ見ない。生徒に聞いても、小学校でも中学校でも、何度も情報モラルの授業を受けたと言う。
でも、悪口などの自制心が関わるトラブルは、まあまあの頻度で起こる。
きっと知識というより、心の成長が必要。そもそもだが、「悪口を書く」「好きなことを長時間やる」は情報モラルなんだろうか、とさえ思う。

情報モラル教育はトラブル事例を示して、「やめましょう」「気を付けよう」になりがち。それでは「自分はそんなことしないから大丈夫!」になりがち。「自分は大丈夫!」はリスクの想像ができていない。

セミナーでは自画撮りトラブルについて、選択方式で「誰から」「どういう状況」だったら、自画撮り画像を送ってしまうか考えるという活動を紹介していた。これは面白い。実際に同じ状況が起こってしまった時のメタ認知能力を高め、自制に成功できそうな気がする。

SNS上で知り合った人と実際に会う、ネットに写真を載せる、といった行為は「やめましょう」ではなく、リスクにもグラデーションがある。

これもその通り。授業でこれらのことを題材にすると、生徒からは「SNSの人とは合わない」とか「SNSに顔写真は載せない」という答えが並ぶ。
でも現実世界では、SNSをきっかけに出会い、交友関係を広めたり、結婚する人は増えている。SNSで顔出しする人と顔出ししない人だと信頼性や影響力が異なる。
セミナーでは、SNSで同じ趣味を持つ複数の人から「実際に会いましょう」と誘われた時、危険性が高い人と低い人を見極めると活動が紹介された。
学習者は誘う人のプロフィールや掲載写真、フォロワー数などから危険性を見極める。学習者同士でなぜ危険(安全)と判断したか、を共有しあえば、SNSの出会いに関して様々な視点を持つことができる。
ただ、セミナーでも言っていたが、この活動に完全な正解は無い。安全性に関することなのに正解は無いので、授業と考えると落としどころは難しい。

生成AIの利用などの新しい技術が生み出された時は、ルールが整備される前にどんなリスクがあるか考えることが大切。

今、ホットな話題の生成AIの教育利用について。ただ、生成AIをどう使うかというよりも、もっと大きな視点で新しい技術への対応をどうするかという話。今後も、生活を根本から変えてしまうような、ゲームチェンジャー的な技術が生み出されると思う。その時、何が起こるのか考える練習する授業は面白そう。「実際にドラえもんの道具が開発されたら」でリスクを考える授業やってみようかな。


情報モラルセミナーというと、よくある「トラブルに関するデータ」と「トラブル事例」を紹介する感じかと思っていたら、全然違いました。
非常に多くの有用なことがわかった素晴らしいセミナーでした。
でも、正直なところ情報モラルにたくさん時間をかけるわけにはいかない事情もある。。。

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