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2024年度大学入学共通テスト「情報関係基礎」を解いてみた

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
2025年度から共通テスト「情報1」が始まります。ということで、2024年度の「情報関係基礎」を解いて思ったことを書き記しておきます。
なお、「情報関係基礎」は工業科、商業科などの職業科における専門教科情報を出題範囲としており、「情報1」は普通科を含めた共通教科情報を出題範囲としています。「情報1」が「情報関係基礎」の完全な後継科目とは言い難いことは予めご承知おきください。


第1問 知識問題

色々な分野の知識を問う小問。問1は情報モラル、知的財産権、アルゴリズム、デジタル音源のデータサイズが出題。問2は主にネットワーク、一部デザインの問題。問3はデジタル画像の色表現に関する問題

一問一答形式、会話文や説明文から出題などの出題形式がとられているが、基本的には知っているかという知識が問われる問題。

問1の知的財産権の問題では、権利の名称が出題されていたが、情報活用能力を測るのであれば、名称よりも権利侵害を判断するような問題が出題されてほしいと思う。問3では「色情報の下位ビットを意図的に変えれば、画像の見た目を変えずに画像に文字が埋め込める」と記載がある。Exifの仕組みの話かな?と思って調べてみたらExifではなく、ステガノグラフィという技術らしい。勉強になった。

第2問 シミュレーション

問題の題材は「4つの星の異星人がバラバラに5つの宇宙船に乗って地球にやってきたので出身星を確認する」ため確認方法を考えるというもの。なかなかのぶっ飛んだシチュエーション。確認方法を2つ提案し、どちらが質問回数が少なくて済むかを考えている。また、最終的には2つの確認方法を合成し新しい確認方法についても考えている。

出題内容は各確認方法を利用した場合の質問回数のトレース、また、確認方法を変えたり、同じ確認方法でも宇宙船によって質問回数が異なる理由を追究する問題。

「異星人の出身を確認する」という題材がユニークすぎるので、そこに目が行きがちだが、2つの確認方法の効率を比べながら、探究的に問題解決をしていく過程が描かれており、共通テストの問題作成の方向性とマッチしている。また確認方法のトレースだけでなく、質問回数の原因の発見も出題されており、非常に良い問題だと感じた。

第3問 プログラミング問題

問題の題材は、縦横斜めで数字の和が等しい魔法陣の生成と、数字の和を検証するプログラムの作成。

問題文でアルゴリズムは説明されるので、それに合わせてコードの穴埋め。
2次元配列、繰り返しのネスト、フラグ変数など様々な内容が出題されている。また、列番号と行番号が0から始まっているところも、プログラミングにありがちの混乱しやすいポイント。

プログラミングは情報1でも必ず出題される範囲。
ネストによる多重ループは情報1でも出題されると予想しているが、2次元配列は正直勘弁して欲しい。

第4問 表計算問題

問題の題材は「どうぶつの森」と「マインクラフト」を足して、さらに妖精によるポイント制度が加わる複雑なゲーム。上記2つのゲームをプレイしたことのある人なら多少はイメージしやすいかもしれない。

出題内容は、関数や計算式による相対参照と絶対参照の理解が問われる問題がほとんど。表から読み取る問題があるが、最大値を探し出すだけの単純な問題。

表計算問題は情報1には出題されないと思います。


ついに共通テスト「情報1」まで1年を切った。ワクワク感3割、不安感7割といったところ。

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