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オンライン投資読書会(その1)の課題本を読了。

課題本「図解 最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」山崎元、大橋弘佑著

本日、読み終えたので、読書メーターの感想文を載せておきます。

対談形式でお金の増やしかたについて解説。山崎さんは楽天証券に身をおいていて、本当はいろんな金融商品を勧めた方が、自分の属する組織の利益になるのに、ごくシンプルな、投資家目線のメッセージがとてもよいと思っている。彼のTwitterやブログを知る前に私が思っていたこととまさにズバリの考え方が大半で、資産運用の現場にいたことのあるプロならば首を縦に振るのでは。もちろん細部は完全には同意できないところもあるけど、全体的に正直で核心をついているから、すべての人にお勧めしたい。

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なぜ私が山崎さんに共感するか

私は、資産運用業界に20年以上身を置き、商品開発や調査、一時は運用もやっていました。日本とアメリカの証券アナリスト資格を持っており、投資理論を基礎から学んでいます。素人で株の売買をしているような方は「プロより自分の方が運用がうまい」「理論通りに相場は動かない」などと言って、怪しいチャートなどを見て独自の論理を展開しています。中には稀に大儲けする方もいますが、それは極めて「成功する確率の低い」投資の仕方です。

山崎さんが大橋さんに紹介しているのは、「大損するリスクを抑えながら、長期である程度以上のリターンを狙っていく」という投資理論の基本中の基本のやり方。つまり「そこそこ儲ける確率を上げていく」やり方です。損するリスクのある証券等に投資をして「確実に儲ける」ことは不可能である以上、目標値をほどほどに下げながら、大損の確率を下げて、10年程度の期間で目標値を達成できればよい、とする。山崎さんはこれが世界の年金基金が運用において考えていることだ、と端的に説明しています。

素人は、投資とは経済や株価の仕組みを学んで頻繁に株式を売買し、短期の値上がり益を追いかけていくこと、あるいは先物や信用売買で大きなチャンスを狙うことと思いがちですが、こうしたやり方は損のリスクが大きく、長期で目標値を達成できる確率が極めて低い。言ってみればギャンブル(投機)で、厳密な意味では「投資」ではないのです。

金融商品はたくさん持つ必要はない

世の中には様々な金融資産があり、銀行や保険会社はあの手この手でいろんなものを買わせようとしますが、老後の資産形成などに必要な金融商品は、①手堅い(安全性が高い)もの ②成長性(増やす力)があるもの の二つに限定され、仕組みが複雑なものは欲張りすぎてリターンが見えづらくなるか、投機性が高いので避けるべきだと山崎さんは言っています。

例えば、保険商品は正直持たなくてよいときっぱり。保険は保険で「投資の手段ではない」と一般人は思いがちですが、お金を入れてお金をもらうものはすべて投資の手段、金融商品であり、保険も運用の手段なのです。死亡、病気、介護といろいろな保険に入っていると、ほかの原因でお金が必要になった時には保険金はもらえず、途中解約すると元本割れするケースがほとんど。運用効率が極めて悪い金融商品なのです。

また「外貨預金も銀行のカモになる」と言っています。これには私も同感。過去一度も外貨預金はやったことがありません。山崎さんは、素人が陥りがちな金融商品の間違った選び方について、一通り警鐘を鳴らしてくれていると言えます。

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