PdM2年目の僕がイシュードリブンに失敗した話_後編

PdM2年目の僕がイシュードリブンに失敗した話_後編

おまたせしました。おまたせしすぎたかもしれません。(全裸監督より)
言いたかっただけです。ごめんなさい。

僕がイシュードリブンに失敗した話の後編を書いていきます。

前編では、イシュードリブンってなんぞやという話で長くなりました。後編では、なぜ失敗をしたのか?の話から続けていきますー。

前編はこちらです。

なぜ失敗したのか?どんな失敗だったのか?

これについて述べるにはそもそも今回の失敗とは何かを定義する必要があります。

今回の失敗とは、「目標が達成できず、その原因が施策の優先度設計が間違っている」ことです。

目標とは、「2019年12月末までに既存事業を改善し、子会社が安定的に黒字化した状態にする」でした。

既存事業の内容は、不動産売買を検討する人へのアドバイスサービスです。

この目標が達成できれば、バリューのある仕事ができたことになります。そのためには、次の3つが最も必要です。

(1)イシュー度を見極める(= 解決すべき課題はなにかを判断する)
(2)解の質を高める(= その課題に対して明確に答えを出せるかを判断すること)
(3)この2つを言語化する(= 定量的な言葉に落とし込むこと)

私が失敗した理由は、(2)解の質を高める(3)この2つを言語化するができていなかったからです。

つまり、解決すべき課題は正しかったが、選んだ課題が明確に答えが出しづらいものを選択してしまったということです。その理由は、その課題の解の質が定量的な言葉に落とし込めていなかったからです。

もう少しわかりやすくするために、具体的な思考プロセスで説明します。
次の思考プロセスで考えました。
※細かいことまで記載すると長文になるので省略しています。

Q. そもそも安定した黒字化が必要なのか?
(1) 必要
(2) 不必要(赤字状態で新規事業に取り組む)
(3) 不必要(会社を閉じる)
A. (1)必要。より伸びしろのある新規事業を立案し、その新規事業に対して資金調達をする方法もありますが、今回の場合、新規事業は不確定要素が多く、短期間で白黒をはっきりさせることが難しいです。改善の可能性が高い既存事業で黒字化させる必要があると判断しました。
Q. 安定した黒字化を達成するためには、どの部分を改善するのか?
(1) 売上を増加する
(2) コストを軽減する
A. 改善可能性と改善インパクトの大きさより最優先は、(1)売上を増加することが必要だと判断しました。
Q. 売上の増加するためには、どの部分を改善するのか?
(1) ユーザー数を増加
(2) ユーザー1人当たりの売上単価を向上
A. 月間対応可能ユーザー数が上限に達していなかったため、(1)ユーザー数の増加が必要だと判断しました。売上単価を向上してもユーザー数が増えなければどちらにしてもジリ貧になるので、ユーザー数の増加が優先度高かったです。
Q. ユーザー数を増加するためには、どの部分を改善するのか?
(1) 現状の流入元を改善(CTRやCVRを改善)
(2) 新しい流入経路を増加
A. ここで、インパクトが大きいという理由から(2)新しい流入経路を増加を選択しました。ここで間違えました。理由は下記で説明します。

失敗した理由は2つです。

1つ目は「(1) 現状の流入元を改善(CTRやCVRを改善)」の改善インパクトが実は大きいことに気づけなかったことです。また、それを検証する期間も短い期間でできるため、明確な答えも出せるものでした。
つまり、(A)のほうが解の質が高くなるイシューでした。

蓋を開けてみると、(1)は、目標を達成できる可能性があるだけの伸びしろがありました。また、その改善にかかる工数もそこまで大きいものではありませんでした。しかし、今まで別メンバーが改善にトライしたという理由のみで大きな改善幅がないと判断しました。
ここは具体的な施策を選択することになる重要な部分だったので人からの情報ではなく、一次情報(定量的な事実)を集めることを行うべきでした。

2つ目は、(2)新しい流入経路を増加の改善インパクトの大きさにのみ注目しすぎたことです。
そのため、明確に答えを出せるイシューかの判断が甘かったです。
自分の仮説が正しいと証明するために都合のいい情報を集めてしまいました。根本の原因は仮説の言語化が甘かったことです

実際は、新しい流入経路のインパクトの大きさはありましたが、目標である「2019年12月末までに既存事業を改善し、子会社が安定的に黒字化した状態にする」を考えた場合、明確な答えを出すためには、期間がかかりすぎる施策でした。

どうしていればよかったのか?

では具体的にどのようにしていればよかったのでしょうか?
これは、2つの問題に共通した改善点があります。

それはイシュードリブンを得意とする人から、フィードバックをもらうことです。今回の場合だと、私が判断するための材料がそもそも適切であるかという点に関して、もっとフィードバックをもらう必要がありました。自分的には、要所でフィードバックをもらうようにしていたつもりでしたが足りていませんでした。

なぜフィードバックが有効なのでしょうか?

それは、イシューの見極めや解の質の見極めを向上するにはコツがあるからです。

それは、下記の2点です。

一次情報に触れる

意図的にざっくりやる(調べすぎない)

今回は一次情報に触れることを怠り、もっと調べなければならない部分を調べ切れていませんでした。これでは、失敗してしまうのは当たり前です。

(今、振り返るとどう考えても調べるべきだろ!アホすぎる!と自分で思うから不思議です。)

どこまで調べるべきなのか?調べすぎないとはどの程度なのか?ということを一人で考えるとかなり時間がかかります。特に慣れていないうちはなおさらです。

そのため、一番有効な手段は、人からフィードバックをもらうことだと考えます。

ただし、イシュードリブンについて理解していない人からですと、フィードバックがずれてしまうので、イシュードリブンを得意とする人から、フィードバックをもらうことが重要です。

私の場合だと、会社の先輩がそれにあたります。

フィードバックをもらうときの注意点

具体的にフィードバックをもらうときには、注意点があります。

それは、思考プロセスについてのフィードバックを求めることです。

フィードバックを求める場では、つい具体的な施策へのフィードバックばかり聞いてしまいます。しかし、大抵は施策の良し悪しではなく、そこにたどり着くまでの思考のプロセスに問題がある場合が多いです。

「この問題を解決するために、次のように考えました。ここまでの思考プロセスに違和感や論理的矛盾がないかフィードバックいただけますか?」

みたいな感じで聞くといいかと思います。

おわりに

自分の失敗を公開するのは、とても抵抗があるものですね。こうやって振り返ると勢い任せのしょうもない失敗をしていることに気づきます。

こんな失敗をした私ですが、その後、方向修正し現状の流入元のCVRをYoY250%改善できました。(CV数もほぼ同等に増加)

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失敗したら、振り返りを行い、諦めずに新しいチャレンジを続けることも重要ですね。そうすることで成長していくのだと思います。

こんな失敗をしても、次の機会を与えてくれる今の会社(リブセンスと子会社)に感謝も忘れないようにしたいと思います。


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