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ウェブ申込率を2.7倍に改善して学んだLP改善方法

どうもLivesense Letter 木曜日担当のダイチです。

リブセンスでプロダクトマネージャー(PM)として働いています。
グロースハックの話をしようと思います。

具体的には、ランディングページ(LP)からのウェブ申込率を2.7倍に改善して学んだことのまとめです。LP改善は成果がわかりやすいため、上手くいったときの快感があります。(笑)

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※実際のCVRの変化
※CVRとはLPを閲覧した人のどのくらいがウェブ申込みをしたのかという指標です。100人LPをみて2人がウェブ申込みした場合、「CVR = 2%」となります。

この記事でのランディングページ(LP)とは、商品やサービスの説明するウェブページのことです。

実際に改善したLPはこちらです!
https://www.ieshil.com/advisers/
比較しやすいように改善する前のデザインを探したのですが見つからず(泣)

今回は、グロースハックでよく取り上げる「ボタンの色を緑に変更する」みたいな細かい改善のノウハウではありません。LPの内容をまるっと変更するときに、どのようなことを考えてどのような手順で改善するのかという話になります。

なるべくわかりやすく伝えるため、どういうステップで改善を実行したのか書いていきます。

そもそも改善した理由は、CVRが一般的なLPと比べてCVRが低そうであるかつ、改善することで全体の売上に大きなメリットがあったからです。それでは早速ステップ別で紹介していきます。

ステップ1:目標を決める

最初にしたことは、最終的にどんな数字をどこまで伸ばしたいのかを明確にすることです。
例えば、今回の場合だとただウェブ申込み数が増えればよいわけではなく、その後の面談が実施できるのか?また面談に繋がった人が実際に不動産会社に紹介できるのかが特に大事な指標となります。

ただ申し込みを増やせばOKならば、「ウェブ申込すれば3万円プレゼント!!」みたいなことをすれば増えるでしょう。

しかし、それでは完全にお金目的で面談できないことや、面談できても不動産会社に紹介できないことになります。
それでは、結果として売上に寄与しないため意味がありません。

仮に、一時的に売上に寄与したとしても長期的には意味がないです。

また、目標がCVRを110%改善したい場合であればやるべきことが変わってきます。ボタンの色の変更や文言の修正程度のみで解決することがあります。

ステップ2:ユーザーを設定する

「ステップ1: 目標を決める」が終わったら、次はLPをどんなユーザーに読んで欲しいかを設定します。

とても重要です。

これをサボると良いLPは100%できないと断言できます。

ただし、これは超綿密に細かく設定する必要はありません。

また、最もコアなユーザーをターゲットにするのではなく、そのサービスや業界をあまり知らないユーザーで設定すると良いでしょう。

なぜならば、その方が結果として、コアなユーザーを含めて広く獲得できるからです。

これは、OATHという考え方が元にあります。
OATHとは、ユーザーの課題を4段階に分けたときの頭文字です。

OBLIVIOUS(無知)
APATHETIC(無関心)
THINKING(検討)
HURTING(苦痛)

上記の4つです。ダイエット商品を売る場合を例にもう少し説明します。
言葉がちょっと悪いのですが、これが一番わかりやすい気がします。

OBLIVIOUS(無知)
自分がデブだと気づいてない
問題の所在とか問題そのものを認識していない見込み客
保険や葬式などが典型
ふつーに生きているうちは意識しない
まず問題を認識させなきゃいけないんで結構大変

APATHETIC(無関心)
デブだと気づいてるけど気にせずにミスドとか食ってる

THINKING(検討)
デブだと気づいててかつ痩せたいと思ってる

HURTING(苦痛)
デブだから死にたい
砂漠で水を売るように売れる

大体の商品は、この4つ全てに当てはまる人がターゲットとなります。コアターゲットを設定しようとするとHURTING(苦痛)になりがちです。しかしこれだとそれ以外の人たちに気づいてもらえません。

LPは読み手を選ぶことができない&多くの人に申込んでもらいたいと考えるならOBLIVIOUS(無知)やAPATHETIC(無関心)をターゲットにすると良いでしょうHURTING(苦痛)のためにはLPの上部にサマリーとコンバージョンボタンを設置してあげましょう。

ステップ3:伝えたいことを決める

ここではサービスの魅力やユーザーに知ってほしいことを箇条書きにしましょう。ブログを書く上でのアウトラインのようなものです。
とにかくたくさん伝えたいことを出しましょう。
ステップ4で伝えることを絞ります。

ステップ4:実際の会話文を作成する

あなたがターゲットだと思ったユーザーにあなたがそのサービスを紹介する前提で文章を作成します。

実際に作成した会話文を一部抜粋:
友人「最近、マイホーム買おうかと迷ってるんだよね」
萩原「マイホーム買うためになにか悩んでることあるの?」
友人「いやー、大きな買い物だし失敗したくないんだけど、どんなことに注意すればいいのかとか何から始めればいいかわからないんだよね。」
萩原「たしかにね〜。一番いいのは、友人で不動産に詳しい人がいいよねー。不動産営業担当者だと、どこまで本音で話してくれるかわからないし」
友人「そのとおりやね。でも、友人に詳しい人とかいないんだよねー」

会話文を作成する目的は、独りよがりな説明にならないようにするためです。LPは人に口頭の代わり、文字と画像でそのサービスを説明することと言えます。コツは2つあります。

1つ目はターゲットを友人や家族に設定することです。自分が良いと思ってるものを自分の大事な人に紹介するつもりで文章を作成する。これが非常に大事です。
そうすると、変に内容を盛ることもないですし、
友人や知人に言えないような話や親にみせれない内容があるならばそもそも書くべきではありません。

2つ目はLPに流入する前から会話を作ることです。
LPは、Google広告や記事やSNSなどなにかしらから流入してきます。
ユーザーがどんなことを知りたくて、どんな行動をして、そのLPにたどり着いたかから考えましょう。そのため流入する前の会話から始めましょう。

会話文にすると、一貫性を持った内容にまとまります。結果として、最も説明すべき事に絞ることができます。

ステップ5:ワイヤーに落とし込む

ここまでできたら細かい文章は完成していなくてもいいのでワイヤーを作成しましょう。
ワイヤーとは、LPの下書きのようなものです。
どこにどんなものを配置するのかこれを決めるためのものです。

SP(スマートフォン)版とPC版の両方作成しましょう。
大体のウェブサービスは、SP:PC=7:3の比率で閲覧されてると言われます。
そのため、SPだけでいいという考え方もありますが、配置はPCのほうが難しいのでどちらも作成しましょう。

初めてワイヤーの作成する方は、きれいに作れないことを気にしすぎないことです。
どこに何を配置するのかを決めることが最重要です。
時間を使いすぎないように心がけます。

あとは、数をこなせば必ず上達します。

ステップ6:詳細な文言の作成と調整

各項目ごとの説明文を作成し、ユーザーが読みやすいように調整していきます。誤字脱字がないことのチェックしますが、一番大事なことは、2点です。
(1)専門知識がない人でもわかるように記載されているか
(2)無駄に長文になっていないか

(1)専門知識がない人でもわかるように記載されているか
例えば、いきなり”専属専任契約”(不動産用語)みたいな言葉が出てくると、ユーザーはこの文章は、自分は理解できないものだと感じ、読むことを止めてしまいます。もし読んでくれたとしても、きちんと理解してくれない可能性が高いです。

英文を読むときにわからない単語がたくさんあると、あとの内容が入ってこないことと一緒です。

ちなみに、知り合いの方は「おバカ芸能人でも理解できそうか」を基準に言葉選びをしているそうです。その芸能人が「その言葉の意味何?」と返してしまうのであればアウトだそうです(笑)

(2)無駄に長文になっていないか
LPの内容はつい長くなりがちです。読み手が疲れないように、無駄な長文がないかチェックしましょう。

ステップ7:デザイン作成

これは自分でデザインする方もいれば、デザイナーに依頼される方もいると思います。僕はデザイン作成は全然できないのでここは省略します。ごめんなさい。勉強したい...

※ステップ6と7は前後しても良いです。
僕は、完成までのスピードを早めるため、先に「ステップ7:デザイン作成」をデザイナーに依頼することが多いです。figma(デザイン作成ツール)を使うとデザイン作成後でも簡単に文言調整できます。

ステップ8:効果測定

7まで完成すればエンジニアにコーディングを依頼しリリースします。
リリース後に重要なのことが効果測定です。効果測定は、数値チェックはもちろん、ヒートマップというユーザーの行動を測定できるツールを活用しましょう。

ヒートマップとは、そのLPのどの程度、下の方までユーザーが見ているのか、どこをクリックしたのかを測定できるものです。
ヒートマップは色々な会社が出していますが、僕は、Crazyeggを使っています。なんでもいいです。

数値を測定しながら、次の施策を決めていきます。

以上がLPを使ったCVR改善方法でした。

注意点

最後にいくつか注意点があるのでまとめます。

季節によってCVRが変わる可能性がある
流入数が変わらなくともユーザーが本格的に検討する時期であればCVRが上がる可能性があります

流入経路によって目標のCVRは変化する
(1)能動的にGoogleからキーワード検索してLPにたどり着いたユーザー
(2)大量の人が見ているSNSから気になってLPに来たユーザー
がいるとします。どちらからも1000ユーザーいた場合、どちらのCVRが高いでしょうか?
もちろん1)です。
1)のユーザーであれば、CVRは10%目指せるかもしれませんが、2)だと、3%が限界かもしれません。

正しく数値を測定し判断しよう
LPのCVRを上げたい理由は、売上を伸ばしたいっていう理由が多いと思います。正しいCVRが増えるだけでは売上に起用しない場合があります。
きちんと売上まで寄与しているかを確認するようにしましょう。

他社の事例を集めることをやめない
CVRの伸び幅がどのくらいあるのかを計測するのは非常に難しいです
そこで同業他社や似たような経路のCVRがどの程度なのかそのLPがどの程度作り込まれているものなのかが基準となります。

そのLPを読むのは一人の人間であることを忘れない
ボタンの色を変えるとCVRが上がるらしいみたいな話はたくさんあります。
目の前にそれを読む人がいることを忘れ、ただなんとなく施策を打つのはやめましょう。
それを続けると誰にも求められていないLPを作ってしまいます。
なぜその施策は効果があると思うのか必ず言葉にしましょう。

以上です。長文にお付き合いいただきありがとうございました。

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