紫色から始まる~エピローグ④

ナム子とジミンの結婚式は、とても和やかで微笑ましいものだった。

指輪交換の時、緊張したナム子の手がジミンの手を弾き、指輪がカーンカンカンと高い音を立てて転がっていってしまい。

慌てたジミンが指輪を追いかけ、その後ろをジョングクさんが追いかけ、ナム子も追いかけようとして保美江さんに止められ……。

コントかと思うような光景が広がり、無事に指輪の交換が終わった後も、しばらくクスクス笑いが止まらなかった。

ジン「ヤー、さすがナム子ちゃんだね」

一度失敗した事で緊張がほぐれたのか、そこからはハプニングもなく、披露宴までつつがなく終了した。

雲一つない青空の下で、ゲストから空へ向かって放たれるバラの花びら。

少し照れくさそうにしながら、舞い散る花びらの中をくぐるナム子。

ナム子の手を誇らしげに引きながら、半歩先を歩くジミン。

絵や映画のような光景に、十年前の、紫色のマクドナルドでの事が頭をよぎった。

良かったね、ナム子、ジミン。

おめでとう。

横からアイロンのかかった綺麗な白いハンカチが差し出される。

ジンが目元を赤くしながら、そっと私の涙を拭ってくれた。

……私も、この人と一緒にいられて良かった。

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