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今すぐスクラム開発を導入するための6つの手順

こんにちは、木下です。
私は普段、企業のDX支援や技術顧問としてITに関するコンサルタントをしながら、複数の上場企業に対し、スクラム開発の研修を行なったりしています。
その経験の中から今回はスクラムについて、結構立ち位置だったり具体的な方法についていまいち理解できないという方も多そうなので、説明していこうと思います。

スクラムとはアジャイル開発を実現するためのフレームワークという立ち位置です。
アジャイルはよく名前を聞くと思うんですが、これはほぼ思想みたいなものです。
実際の実行方法として作られたのがスクラムです。
スクラムではスプリントという1週間〜1ヶ月ほどの固定の時間単位で期間を分割し、その短期間で成果物を出しながら、高速で振り返ることでチームを成長させながらプロジェクトを進めていきます。


スクラムで管理するもの

  • プロダクトバックログ

    • 優先順位順に並んでいるやりたいことリストみたいなもの

  • スプリントバックログ

    • プロダクトバックログから今回のスプリントでやることを抜き出したもの

  • インクリメント

    • そのスプリントで出来上がった成果物です。

スクラムで登場する役割

  • プロダクトオーナー

    • プロダクトバックログが正しく運用されていることに責任を持つ

    • 今回のプロジェクトで何を作っていくかの決定権を持っている人

  • スクラムマスター

    • スクラムが正しく運用されていることに責任を持つ人

    • チームだったり、周囲の関係者にもスクラムを布教するのが仕事

  • 開発チーム

    • スプリントバックログに対して責任を持つ

    • インクリメントを産み出すのが仕事

スクラムイベント

  • スプリントプランニング

    • 今回のスプリントで行われる作業の計画をする

    • スプリントバックログを作る会

  • デイリースクラム

    • 毎日15分1日の計画を共有する

    • 単純な進捗報告ではなく、スクラムで発生しそうorしている問題を共有するのがよい

      • これについての解決策についてはデイリースクラムで議論しない方がいい

  • スプリントレビュー

    • 関係者全員を集めてスプリントの成果をレビューする会

    • プロダクトのゴールに対する進捗についても話しておく

  • レトロスペクティブ

    • 一言で言うとスプリントの振り返り

    • どんな問題が発生して、どう解決されたかなどの話し合いをする

    • KPTなどのフレームワークを使うとやりやすい

スクラムイベント知っておいた方ががいいこと

リファインメント

これはプロダクトバックログが正しく優先順位の並びになっているのか、そこに書かれているアイテムの見積もりはズレていないのかなどを精査する作業です。
これは特定のタイミングで行われるわけではないんですが、1日に1回15分程度でやるのがいいかと思います
リファインメントカフェと言ってコーヒーでも飲みながらみんなで気楽にやるといいですよ

プランニングポーカー

プランニングポーカーはそれぞれのプロダクトバックログにあるアイテムのサイズを見積もるために行います。
まず、プロダクトバックログにある最も小さい作業を1とします
その後、他のアイテムを先ほど1と置いたアイテムと比べてサイズを話し合います。
サイズとしてはフィボナッチ数列(1,2,3,5,8,13,21,34のように前の数字を足していく数列)から選ぶようにします。
これはこの作業って2のやつと3のやつを足した時くらいのしんどさだよねみたいなざっくりした見積もりしか人間はできないという意図から来ています。
なので、ここでの見積もりは時間だけではなく、難易度や、めんどくささみたいなものを含めていいです。
一つのアイテムに対して、チームメンバーがそれぞれ思う数字を出し、その後、それに対して議論し、アイテムの見積もりを決めます。
この時、メンバーの技術力が高い人の意見ばかり優先されないように気をつけましょう。

ベロシティ

プロダクトバックログのアイテムにプランニングポーカーで見積もりがされていれば1スプリントが終わったタイミングで完了したアイテムのポイントを合計すれば何点分の作業が進んだか計測することができるかと思います。
この1スプリントあたりのチームが解決できたポイントのことをベロシティと言います。
これによって1スプリントあたりのチームの生産性がわかるので、次のスプリントを計画する時にもプロダクトバックログの上からチームのベロシティ分スプリントバックログに入れるだけでスプリントプランニング出来てしまいます。
このベロシティを上げていくことがチームの成長と捉えることもできるのですが、もちろん人間なので効率を上げれる限界はあるので、ある程度でベロシティは頭打ちするのが正常です。

導入するための手順

前提知識が多くてしんどいかと思いますが、あとはこれらを組み合わせていくだけです!

  1. プロダクトバックログを作る

    1. プランニングポーカーをしてプロダクトバックログを見積もる

  2. スプリントプランニングでスプリントバックログを作る

    1. 今回のスプリントでどういったことを検証したいのかゴールを決めながら作ると良い

  3. スプリントを運用していく

    1. 毎日デイリースクラムをしてスプリントの問題を検知する

    2. リファインメントをしてプロダクトバックログを最新にする

    3. 開発チームはスプリントバックログを消化してインクリメントを産み出していく

  4. スプリントが終了したらスプリントレビューを行う

    1. この時開発チームだけじゃなくて、関係者はなるべく全員集めよう

  5. レトロスペクティブでスプリントを振り返ろう

    1. 振り返った中でやる時、やると決まったこともプロダクトバックログに入れておこう

  6. 2〜5をひたすら繰り返していく

これだけでオッケーです!
スクラムについては難しく考えず、初めはざっくり実行してもらえたらと思います!

実行していく中で迷ったときは?

アジャイルとかスクラムは思想的な要素が結構強いので、その背景にある思想を学んでおくと意図がわかるので判断ができるようになります。
以下に参考になりそうなリンクを貼っておきます。

スクラムガイド

https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf

アジャイルソフトウェア開発宣言

 アジャイル宣言の背後にある原則

この辺りを参考にしていただければ迷った時も安心かと思います!
では素敵なスクラム開発を!

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