8月26日、抱える足。

目覚める。全身にかかる重力が今は倍ぐらいに感じる。

チェコ2日目。

街に出て、路上LIVEをしようと思った。

 

 

道を歩けば、シャッターが自然と切れる。

本当に画になる街だ。

ジョン・レノンの壁にやってきた。

壁には愛や平和を謳ったメッセージがたくさん込められていた。

水車もマジモンのヤツ。

風情については、語る言葉を知らない。
というレベルで美しかった。

観光地エリアってこともあって、道にはパフォーマーや商人で溢れかえっていた。

そのほとんどが、生活はカツカツで、物乞いやホームレスも含まれていることは

あまり知られていないのかな。
と思った。

彼らは生きる為のお金を投げ銭してもらう。

それこそ、必死にお金を乞うのだろう。

生きるためのお金をね。

 

なんだか、自分の行為に意味なんかを求めてしまうのは、チェコがこんなにも美しい街だからなんだろうか?

 

 

 

ある種、自分も生きるためのお金を投げてもらう。

今日も2€と、90KC投げてもらえた。

少なくとも3日は空腹に悩まないぐらいのお金だ。

 

だが、自分は音楽。自分の力を試しに来ている。

物乞いや、ホームレスたちの行為と、何が違うのだろうか?

なんて考えてしまうのは傲慢かもな。

ただ、知りたい。

  

 

歌を歌うだけでいいなら、わざわざヨーロッパに来た意味はない。

こうしてあーでもないこーでもないと、論理では図りきれないものについてまで考えて、バカみたいにうねっているのは

決して無駄ではないだろう。

 

 

ただね。それを結論づけるまでの体力は残ってなかった。

力果てるように、歩いては何度もベンチへ腰をおろした。

明らかに、疲労が貯まっていた。

重さは大してないとは言え、楽器を背負い、歌を歌い、指を酷使してギターを弾くのだ。

 

疲れないわけはなかった。

おまけに、この時期のヨーロッパは寒い。

背中やお腹を出してたら一発で風邪を引きそうな気温だ。

 

 

慎重になりすぎることはない。

むしろ、よくまだ風邪を引いてないな。とほめてあげたいぐらいだ(笑)

 

まぁというわけで、足は文字通り立ってるのでやっとなほど疲れていた。

あるき回ったなぁ。という感じだった。

 

 
 
 

夜になると、ウイスキー藤村の知り合いで、カフェを経営されている『アイさん』という女性にお会いした。

旦那さんの『ジョンさん』も一緒に、その夜のご飯をごちそうになった。

ありがとうございます。

アイさんのお店『香咲(かさ)』はマツコ・デラックスの番組でも取り上げられるほどのお店。

 

日本で会おうと思ったら、まず不可能なぐらいには連日激混みまくりのお店なのだ。

  

 

 

そんなアイさんご夫婦と美味しいチェコ料理を堪能した。

スープから、豚の膝(ひざ)焼き、たくさん、たくさん、お肉を頂いた。

(本当にありがとうございます😂)

 

 

アイさんとの話で、若い内にたくさん行きたい所に行って、やりたいことをやる。

という話を聞いた。

年老いてから、同じ事をしようと思ったら、コストだけじゃなく、そもそも同じ事ができない。

 

ウイスキー藤村も『歩くことは本当に大事』と言っていたし、体をちゃんと使って動き回るのは必要だ。と感じた。

 

 

そう考えると、俺が風邪や足が疲労でボロボロにならないのも、若いから。だと思うと

心底、会社を辞めてよかったと思った。

 

やはり、それぞれの生き方に合うスタイルを探す。という意味では、たくさんの場所に出向き、たくさんのものを見て、食べ、体中で味わい尽くすのが必要なんだと思った。

 

また音楽の話も聞くことができた。

 

確実に少しずつ、音楽業界は衰退している。

というか、もうたった1人や1つのバンドが

カリスマ的扱いをされること、そんなカリスマを作ることにも天井を感じるという思いがよぎった。

諦めではなく、それはあくまでも時代。

特に日本は、モノに溢れすぎてしまった。

今や娯楽なんてものは数に溢れ、ジャンルや種類も多い。

 

おそらく、バンドで売れたって、メジャーデビューしたって、バイトは辞められないし、ブッキングはオニのようにたくさんたくさん増えるのだろう。

 

 

  

それを幸せと呼ぶには違和感が半端なかった。

 

 

ただ、そんな段階まで来ても、歌は歌で、音楽は音楽だ。

 

確実に人の心臓めがけて、ぶち抜くレベルの音楽は存在し続けているし

それを目指さず、ノリや勢いに逃げているバンドも多い。
  
 

ただ、音楽は音楽であり続ける。

という事実を知った。

  

音楽が廃れるんだとしたら、今頃クラシックは影もない。

あれが最高峰で、今の音楽が劣化してる?

なんて見方もあるかも知れない。

 

いずれにしても、そんなアツい、魂の見える音楽をやっていこうと思った。

 

くだらない。

そんな言葉では終わることができないぐらいに音楽は偉大だ。

ヨーロッパではそれを感じていきたい。

音楽を見るために音楽を聞くんじゃなくて、むしろ、音楽から外れた世界も痛感して感動を得ていく。

そんな気持ちが、高みを見せてくれるんだろう。

頑張るよりも、心から楽しむ。

心から楽しむから、結果として頑張れる。

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