9月12日、全敗だが。

昨日はあまり眠れなかった。

単に疲れて早く寝てしまったからではない。

 

そもそもなんか胸騒ぎがすると眠れないのだ。

昔からそうだ。

 

 

不安1つで人は簡単に眠れなくなる。

不安なんて呼べるほど大したもんじゃないが

 

 

 

許可証を取りに行くため、いつもの広場へ向かった。

 

ツーリストインフォメーション。

そう書かれた場所は、旅行者の案内所だ。

 

 

さっそく許可証を発行できるか聞いてみた。

オバさんだったが、要件を聞くとすぐにルールの紙を取り出した。

 

英語で書かれていたが、10€支払う。という部分は昨日聞かされたとおりだ。

パスポートを見せて、難なく10€払って取れるもんだと思っていた。

 

しかし、

『じゃあ、今からオーディションするから3曲ほど演奏してちょうだい』

そう言うと、奥まで案内した。

他の旅行者が案内の紙を眺める脇で、椅子にすわりギターを弾いた。

なんだかぎこちなかったが、3曲弾いて許可証がもらえるなら早いトコ弾こうと思った。

だが、いつものように歌詞を見てやや小さめに歌っていると

『あなた、歌詞(楽譜)なんて見たらダメよ。もうオーディションは失格。ライセンスはあげられないわ。』

と言ってきた。

いきなりのことで理解が出来なかった。

 

だって、オーディションするとは言ったけど、歌詞を見るなとか一言も言ってないからだ。

  

ただ、3曲演奏しろ。としか言ってないのに、、、

あまりにも急すぎたので

『いやいや、ちょっとまってよ。明日とかリトライ出来ないの?』と聞いたが、NOという。

意味がわからない。

たかが路上LIVEするのに、オーディションするのも意味が分からないが

3曲演奏するのに難癖つけられたことに、とっさの事で頭に血が登った。

 

いずれにしても、リトライはダメだと言うので、外へ出た。

 

ワケも分からず怒りだけが残った。

 

こっちは生きるためのお金が必要だし、路上LIVEがお金を得る手段だと言うことを理解してねーじゃん!と怒り狂った。

今これを書いている時も思い出して怒りが溶け出している。

 

ともかく意味が分からなかった。

 

 

だが、ツイートのリプでだいすけさんから

『ヨーロッパは街並みやそれこそ教会なんかを重んじるわけで、その景観を乱すようなパフォーマンスは出来ないようにしてるんだよ。

だからその人に怒るのは間違ってる』と言われ初めて気がついた。

ヨーロッパで、管楽器がウケている理由がまさしくそれだった。

ピアノやバイオリン、フルートなどオーケストラの楽器が好まれていたのは

街の景観を害することがなかったためだ。

 

ともあれ、許可証だけでも取りたかったので、ギターオンリーで歌わずにリトライをお願いしたら受けてくれた。

 

 

だが、やはりこれもLoud(うるさい)ので、街の景観に合わない。

と許可証はもらえなかった。

 

 

 

そうしてある事実にも気がつく。

そう、そもそもここにはギタリストがいない。シンガーもいない。

 

 

路上LIVEはしているものの。

ギタリストやシンガーを1人として見たことがなかったのだ。

 

 

呆然とした。

 

 

とにかく許可証が無いと、広場では演奏できないため

広場からだいぶ外れて(演奏禁止の指定区域がめちゃくちゃ広い)路上LIVEすることとなった。

当然だが、客の数もほとんど違う。

 

なんとかそれでも声を出して歌ってみるが、通りから外れているため、お金をわざわざ投げに来ない。

 

あげく、近くの会社から『声がうるさい』と止められた。

 

 

分かってはいたが、ここまで違うとは思わなかった。

 

それから何箇所か良い場所はないかと座っては弾き、座っては弾きを繰り返した。

 

だが、そもそも街並みが教会を中心に人が集まるようになっているのだ。

その教会から外れれば、人の数も大きく違う。

 

 

大通りでやってみても、車がうるさく、1人として止まる人はいない。

 

完全に稼ぐ術を失ったと感じた。

 

1人公園で腰をおろした。

 

もはや公園で演奏する気にもなれなかった。

ただ気力が無かっただけではない。

公園はホームレスや物乞いの溜まり場になっていたためだ。

 

そんなホームレスの喧嘩を、呆然と眺めながらくだらないなァと思った。

くだらないけど、同じにはなりたくないしな。

ってことで、駅やまた大通り、広場から外れた場所で何度も演奏したが

1セントも入らなかった。

ここまで違うとは。

 

 

そりゃみんなあそこで弾くわ。。。

  

 

あげく『fxxk you』だのブーイングだのされてクソほどイラついた。

もはや何のために誰のために音楽やってるのか分からんくなっていた。

 

クソほどむかつくけど、殴れないし
クソほどムカつくけど、ルールはルールだし。

必死で冷静を装ったが

もはや逆効果だった。

 

 

 

敗戦だ。

完全なる。

少なくとも、もうミュンヘンにはおられんと思った。

現地のルールに則るならなおさら。

 

 

ただただ悔しかった。

 

 

腹は立つけど、何も出来ないし。

そもそも歌うことすら止められるわけだし。

 

 

銀色や金色で塗りたくったパフォーマー達を見ては

うるせぇバカ!!!と思ってた。

 

 

恩恵を受けただけに難儀だ。

  

 

感情をコントロール出来ない。

 

だってやはり不服なもんは不服だ。

 

 

 

 

物乞いは控えめだから許されて、銀色も金色のパフォーマーも景観は損なわないから許されて(あるいは勝手にやってて)

 

理不尽だなぁ

ってすごく思った。

  

そんな事言ったらオレの歌聞かされる人だって理不尽を感じてるかもしれないが

まぁ、とにかく考えることで前に進む話じゃないなと思った。

ルールに従って、ダメなもんはダメだ。

ってところで。

 

ただ、もうミュンヘンには二度と来ないと思った。

路上LIVE出来ないとかいうことを差し引いても

ギターの流れない街にいたくないなー

と思うからね。

二度と来ないね。

別に主観だし、もろ偏見だからいいよ。

どっちにしてもバイオリンとピアノとフルートと変なパフォーマーとやたら高齢者の物乞いが溢れてる街って感じだから。

実に感情とか、倫理が欠落してて結構な事ですわ。

 

ステキな景観守れてよかったね。バカ!

 

 

 

ほんとだよ。

そう思ってる。

何がステキな教会だよ。うるせーバカ!!!

こんな街それ(教会)がなかったら滅ぶだろうが。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

…だから守ってるわけだもんね。仕方ないよ。なら。

 

 

ヤカラじゃないからさ。その辺はしっかりと理解したよ。

 

誰だって自分の故郷維持したいしね。

それに、この街の大事なシンボルだしね。

  

 

 

感情的にはなるけれど、それもしかたねーし。

ただ、利害が合致しなかったってだけだから。

しゃあねぇの。

  

 

 

それも込みでこのドイツ音楽修行なんだと思うよ。マジで。

己の言い分で通しきれるんなら楽だからね。

さてさてさて、

ケルンを次は目指すわけだけど、もう少し穏便だといいなぁ。

同じなら、ちょっと考えないと。🤔

ほんの少しでも応援頂ける方は、サポートをよろしくお願いいたします。サポートして下さると音楽活動の交通費が増えたり、明日のご飯が食べられるようになります。