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[怖い話]立ち入り禁止の理由



祖母の家は栃木県日光市にある

自然が豊かで小さい頃から川で遊んだり森の中を探索したりした




ある日祖母が「化け地蔵」について教えてくれた



別名、並び地蔵という

百体以上の地蔵が並んでいるエリアがあり
行きと帰りでは地蔵の数が違うらしい





気になったらすぐ行動、子どもの頃の僕は考えるよりも先に体が動く

早速兄と妹を連れ化け地蔵へ向かう





家から徒歩10分ほど、大きな橋を渡り山道に入る

細い階段を下って川沿いの一本道を歩いていく





それは、本当にあった




山に背を向けるように無数の地蔵が鎮座している

地蔵の目線の先には岩場があり
その奥には川が流れている


そして地蔵の中には胴が大きく欠けていたり
頭がどこかに行ってしまったものがあるから
かなり不気味だ、少し恐怖心すら覚える。





道のりで言えば1キロほどだろうか

祖母が教えてくれたように
一生懸命に地蔵を数えた



1.2.3…



かなりの数だ、集中しないと数え間違えてしまう

時間をかけて全てを数え上げた




行きは113体...




そして当然

帰りも数える、、




1.2.3…






帰りは108体...





確かに違った、しっかり数えたはずなのに



都市伝説やオカルト好きな僕にはこんなに楽しいものは無かった







ただ、、




それよりも気になった事がある




川沿いを良くみると遠いながらも
一つだけ不自然に置かれた大岩が確認できる



しかもそれを囲うようにボロボロの柵とロープが張ってあり朽ち果てる寸前の立ち入り禁止の看板も見える







子どもの僕にもわかった、あそこには何かがある、、





大抵の場合は地蔵を数えて川の方には意識が行かない

そんな人間の心理を利用して何かを隠しているのではないか?





だんだん暗くなってきたのでその日は好奇心をグッと抑えてやむなく帰宅をした







次の日、川に遊びに行くと母に告げ
こっそりと化け地蔵へと向かった



良くない事だとわかっていても好奇心には抗えない



目的地に到着する
地蔵に見られながらロープを跨ぎ柵を越え昨日の大岩に辿り着いた





昨日は遠くからでわからなかったが近づいてよく見ると


微かに文字が彫られている、解読不可能な昔の文字




僕の興奮は最高潮、子どもの好奇心を満たすのには十分過ぎた











今思うとそこで終わりにしておけば良かったと後悔している





直感でわかっていた、この岩はただの岩では無い




そしてこの文字の反対側には恐らく見てはいけないものがある





霊感があるわけではないが
何か漠然と恐怖していた





でもここまできてそれを見ずに帰るわけにはいかない

恐る恐る反対側を覗いてみる








反対側には大きな窪みがあり

中には地蔵があった















しかし、ただの地蔵では無かった











顔、胴、腕や脚、至る所にびっしりと





お札が貼られていたのだ







全身から汗が滲み出る、恐ろしさに吐き気すら感じた

そこから家まで急いで帰ったがその間の事は良く覚えていない、、










結局あの地蔵のことは今まで誰にも話していない

あれは一体何だったのだろうか?

そして今もあそこにあるのだろうか?



僕が小学生の頃に体験した不気味な出来事だった







「立ち入り禁止」には必ず理由が存在する


大抵の場合は危険だから、とか、
セキュリティ云々、とか、、



もし、不自然な場所に
立ち入り禁止の看板がある場合は

見てはいけない物を隠すためにあるのかもしれない

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