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ひたすらハワイに行きたくなる小説『ホテル・ピーベリー』近藤史恵著

こんにちは!
本の帯に「一気読み必死!」「このホテルの客はみんな、嘘をついている」という傑作ミステリーであると紹介されていたので手に取ってみた。

注目してしまったのはミステリーのストーリーではなく舞台となっているハワイ島だ。一度しか行ったことがないが、どうしてもハワイに行きたくなってしまう。私にとってはそんな小説だ。

『ホテル・ピーベリー』近藤史恵著

ネタバレしない範囲でのあらすじ

ハワイ島を舞台に、日本人夫婦が経営するホテルを舞台にした不可思議な事件の起こるミステリー。

主人公は生徒との残念なトラブルから退職することになった元小学生教師の男性。ホテルを経営する快活な女性と愛想の悪い夫。同じホテルに長期滞在する男性3人と女性1人。主な登場人物は以上の6名だ。

最大で3ヶ月滞在が可能、ただし、リピートは出来ないという変わった決まりのあるシェアハウスのようなホテル。失意から癒やされるため観光地で長期滞在することにした主人公。ホテル経営の年上の女性にひかれる中、ホテルの客が次々と不慮の事故で亡くなっていく。

その女性にこだわる主人公が、滞在中の男性から聞いた「このホテルの客はみんな、嘘をついている」を手掛かりに事件の真相に近づく。

感想

読書感想文ではないが、正直な感想を述べる。300ページに満たないミステリーだからすぐ読めてしまう。

その短さからか、もうひとつ登場人物の人物描写が省略されているように感じる。いわゆるキャラが立っていない。登場人物の特徴は書かれているが生い立ちとかに入り込んでいないので共感できる部分が少ない。ホテル滞在の男性の2人は誰が誰か分からなくなる。

事件の背景となるホテルの夫婦関係や被害者や加害者についてももう少しエピソード的なものがあった方が感情移入や同情できたと思う。
主人公の謎解きの部分も憶測や推測の世界なのか、もっと確たる証拠があったのかも分からず終わる。

驚愕のハワイ島のさまざまな気候

それでもこの本を読んでいるうちに無性にハワイに行きたくなる。ハワイの気候というと年間通じてトロピカルでいながら湿度は低く過ごしやすいイメージだ。この小説でハワイには10もの気候が存在することがわかる。
英語だが以下の通りだ。


  1. Hot desert

  2. Hot semi-desert

  3. Toropical-monsoon

  4. Toropical-continuously wet

  5. Toropical-winter dry

  6. Toropical-summer dry

  7. Temperate-continuously wet warm

  8. Temperate-summer dry warm

  9. Temperate-summer dry cool

  10. Arctic-Periglacial

トロピカ〜ルな熱帯気候だけでなく、岐阜県と同じ大きさのハワイ島には砂漠から北極のような氷河気候まであるそうだ。実に興味深い。

キラウエアでのマグマ観光


世界遺産に登録されているキラウエア火山国立公園を訪問するエピソードがあるが、主人公は寒くて風邪をひいてしまう。地上の楽園のようなハワイに活火山からマグマが海に流れ出すような観光地もあるのだ。

マウケナアでの星空観光

なんとこの山、富士山よりも高い4千メートル級なのだが、世界で最も天体観測に適した地と言われているらしい。日本も含む世界各国の観測所があるそうだ。

この本を読んでの結論

ハワイのビーチやゴルフ場でのんびりゆっくり過ごすだけでなく、さまざまな気候からマグマも世界一綺麗な星空も眺められる。
私のカリフォルニアの運転免許が有効なうちに、ぜひ行ってみたい。




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