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プラハうまご飯

中華弁当

 9時間の列車旅の末にプラハにたどり着いた私は、腹ペコだった。夜で、もう開いていない店が多い中、宿近くの中華料理店はまだやってるみたい。しかも安いらしい。

助かった…

 入ってみると、客は私一人。大丈夫なのかと心配になるが、席についてメニューを見る。定食(Bentoとあり、箱に入って出てくるが、中身は定食だ)があったので、それを頼んでみる。

 うますぎる…。本当におなかが減っていたので最高だった。サラダも白米も食べられた。タケノコも!満腹で1500円くらい。本当に安くてありがたい。

ロボットウェイター

 国立博物館を堪能したのち、腹ごしらえをしようとヴァーツラフ広場のサラダやに入った。シーザーサラダを注文してしばらく待っていると、奥からロボットが出てきた。

初めて見た

 私の席の前に来ると、「ジェクイー!」(チェコ語でありがとう)と言って停まった。

ジェクイー!

 どうやらこのマシンが配膳担当のようだ。ロボットウェイターは初めて見た。技術の進歩は改めてすごいと実感した。しかし、ロボットに食事を持ってきてもらうのは、何やら少し複雑な気持ちだった。

豚ひざ肉のロースト

 ミュシャ美術館を後にして、おなかが減っていた私は、昼食にすることにした。地球の歩き方に載っていたチェコ名物料理のひとつ、豚ひざ肉のローストというのが食べてみたくて、グーグルマップでリーズナブルそうな店を探して行ってみた。人のよさそうなおっちゃんがやってる小さめの店だ。

この店に決めた!

 チェコ語の料理の名を見せて、これはあるかと聞くと、あると言ってメニューを見せてくれた。1500円強で、なんと1.4キロもあるという。

1500円は安い

 驚きのサイズでギョッとしたが、ここで食わねば漢が廃るというものだ。よっしゃとそれを注文し、ビールも頼む。10度の強めのビールなので、ゆっくり飲みながらしばらく待っていると、バカでかい豚肉の塊にフォークとナイフがぶっ刺さって出てきた。衝撃の見た目だ。

いざ勝負

 いただきますと言って食べ始める。でかすぎて豚の体の全体像が想像できるほどだ。分厚くて大きな皮もついている。
 味はうまい!ジューシーで肉も柔らかい。からしをつけて食べると絶品だ。アルザスのシュークルートにもからしがついていたが、ドイツより東ではこういう味が好まれるみたいだ。
 途中から油が多くて苦闘したが、そんな弱音は吐いていられない。胃が膨れる前にすべて食べてしまう。ビールでそれを流し込む。
 そして私はついに完食したのだった。

大衆食堂

 ハヴェルスカー市場近くの大衆食堂で夕食をとることにした。

プラハの大衆食堂。「ドブリデーン(こんにちは)!」とあいさつして入店

 「スヴィチェコヴァ・ナ・スメタニェ」という牛肉料理を注文。チェコの伝統料理らしい。

スヴィチェコヴァ・ナ・スメタニェ

 甘いクリームソースの中に浸った牛肉に、茹でパンが添えられている。
 とてもおいしい…わけではなかった。私はそんなに甘い料理が好みではない。しかし、食べているうちに少しずつおいしく感じてきた。これがチェコの味かとかみしめながら食べる。
 スープを追加しようと一瞬席を離れる。帰ってくると、2口くらいしか飲んでないビールが下げられている!オイオイと思い、ウェイターに尋ねるもむなしく、欲しければもう一度頼めとのこと。今日は飲むなということか。

さよなら、今夜のビール

 あきらめてスープを飲んで退散。帰りにサラダとコーラを買って腹を満たした。

トゥルデルニーク

 チェコにはTrdelnik(トゥルデルニーク)という名物スイーツがあるそうなので、食べてみることにした。昼には豚ひざ肉を制覇したこの胃だが、もうひと踏ん張りしてもらわなければ。
 固めのケーキのような生地のコーンに、チョコ、イチゴ、ホイップクリームが贅沢に入れてある。コーヒーも注文する。

トゥルデルニーク

 それにしても店内は蜂だらけ、焼いている生地も蜂だらけ。衛生面が一瞬心配になるほど蜂が飛んでいた。
 味はとても甘かった。こんなに甘いものは久しぶりに食べた。とてもジャンキーだが、幸せな気分になれた。

 Trdelnikを食べていると、ウクライナ反戦デモ行進が前を通る。「裸の王様」プーチンの像を担ぎ、大きなシュプレヒコールをあげる。結構な人が参加していた。

裸の王様

 改めて、人々がウクライナ戦争を欧州全土の問題として考えていることが感じられた。

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