足場一つでも違う
最近お見掛けした現場で驚きの光景が目に入りました。
それは、今にも崩れそうな傾いている足場でした。
足場とは、
建築物を施工する際に高所作業などを行うための仮設の作業スペースのことです。これが安全に設置されていなければ、安全な作業は出来ません。
■値段(=品質)を下げすぎた先に待っているもの
1、足場は安全の第一関門
建築現場にはたくさんの危険が潜んでおりますが、
分かりやすい危険としては、機械と高所です。
高所は落下の危険がありますので、非常に注意が必要になります。
その為、安全に高所作業をするために、安全な足場が必要になります。
その足場が危ない状況と言うのは、現場としてかなりやばい状況です。
冒頭でお話しが現場はニュース報道がありませんでしたので、おそらく事故は発生しなかったのでしょう。
ただ、何も起きなかったのは偶然、奇跡、の類だと思いますが・・・。
2、足場を設置する人間と足場の上で作業する人間は異なる
最近では、足場業者と言う専門の業者が足場の設置及び解体工事を行います。
基本的には、足場業者は、足場の工事が専門であり、
足場の上に乗って作業することはありません。
「自分たちはこの足場の上で作業しないから関係ない」
と言った、設置した足場が使いやすいかどうか、安全かどうか、
などを考慮せずに足場を設置する業者はいないと信じていますが、
何かやむを得ない理由があって、施工品質を著しく落として施工することがあったのかもしれません。
3、金額と品質は必ずしも一致している訳ではないが
消費税の導入時から言われてきた下請け業者に対する消費税分の値引き要求は有名ですが、近年は極端な価格設定で注文を取る営業窓口会社からの丸投げによる極限のコストカットなども問題視されており、特に抜本的な改善はされないままです。
消費者としては、価格が1円でも安い方が良いのでしょうが、その裏で企業努力をはるかに逸脱したコストカットが蔓延し、品質の低下が顕著な現場も相変わらず存在するのだと、冒頭の現場を見て改めて実感しました。
尚、冒頭の現場が極端なコストカットが要因かどうかはあくまでも私の勝手な想像ではありますが、プロが施工した足場とは到底思えない品質だったことは間違いありません。
4、安くして品質まで欲しがるのは無理がある
安さを追求しつつ、品質を確保するには、大手企業でも並々ならぬ努力を積み重ねた上で実現していることだと思います。
簡単に出来るのであれば、初めから、みんなそうしています。
コストと品質はバランスを見ながら判断すべきものであるのではないでしょうか。