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リフォームの施工品質について~DIYレベルで良いのか?~

リフォームの施工品質~見様見真似で大丈夫?~

近年はYoutubeなどの普及により、色んなことがすぐに動画で見ることが出来るようになりました。
私も楽しく拝見させていただいてます。

DIY関係の動画も多く、一般の方と思われる方が、プロと同様の道具・工具を用いて、プロ並みの仕事をしているのをお見掛けすることございます。
身近にいらっしゃれば、すぐにでも人材不足が加速する建築業界への勧誘をしたいところです。

しかし、中には、どのような経歴の方は分かりませんが、大規模なDIYと言いますか、もはや、建築工事と言って良いような動画を上げていらっしゃるチャンネルもございます。
見ていてハラハラしたことも少なくありませんが、自分で所有する不動産だからと自己判断・自己責任で実施されているのかもしれませんので、私が勝手に心配しているだけです。

自宅に愛着を持って、大事に修理しながら住んでいただくことは、作り手として嬉しいことではありますが、修理と改装・改修は全く別の物だと私は考えています。
修理(DIY)は、現状よりも改善すること
改修(建築工事)は、根本から改善すること

つまり、改修や改装などの工事を実施するには、少なくとも、建築の基本的な知識や技術が伴っていることが望ましいということです。
出来れば、構造や防水、ライフライン(電気・ガス・水道)に絡むところはプロにご相談いただきたいのが本音です。

リフォームの施工品質~品質より予算?~

「それでも自分でお金を掛けずにやりたい」
そんな時に活躍するのが冒頭で申し上げた動画たちです。
自分と同じような境遇の方が、同じようにDIY感覚で自宅を大胆に改装する動画を見れば、勇気も湧きますし、作業手順や必要な道具も分かりますので、一歩目が踏み出しやすいのかもしれません。

しかし、
その動画の情報は確かでしょうか?
また、
動画のその後はどうなったでしょうか?

今の時代、誰でも動画を世界中に発信できるだけではなく、如何様にも編集することが可能ですので、視聴者に分かりやすくも出来る半面、情報を隠してしまう事も出来ます。
更に、動画では、その過程や完成した姿は見られますが、その先のことまでは分からないことが多いです。

自分でDIYしたのであれば、自己責任と言うことで納得も出来るでしょうが、
格安な価格を武器にDIYレベルの工事で作業する業者であったり、
そもそも技術者(職人)以外が施工していたり、
などお話しを聞いただけではなく、
実際に、私たちでお客様宅をリフォーム工事をした際に、前回の施工者の仕事ぶりを見て、
「施工品質とは何ぞや?」
と考えてしまうようなケースもありました。

DIY感覚に出会った実例紹介

初めてお電話いただいたお客様から、
「床がシロアリの被害に遭っているので見てほしい」
とのご連絡をいただきました。

早速ご訪問すると、
和室と聞いていた部屋には畳が取り外されており、畳の下に張られていた木の板(荒床)が部屋の3分の1ほど壊されていて、床下の土が見える状態でした。
自分の目を疑うようなこの異常な状況、
「一体どうしたのですか?」
とお尋ねしたら、ご自分で床を壊して確認したとのこと。
おそらくはご自分で直そうとして床を壊してみたものの、途中で難しいと判断され、慌ててあちこちの建設会社にご連絡していたようです。

私が見た限りでは、この壊し方(建物の解体・改修ではなく、壊したと表現)では状況を悪化させただけのように見え、一度、和室の床は全て壊さなければならず、元のように復旧するにはそれなりの工事が生じてしまうとお伝えしました。
壊した箇所だけ元に戻せば済むとのお考えだったようで、私の見立てでは納得できないようでしたので、それ以上はお話しが進むことありませんでした。
残念ながら、その後、どうなったかは分かりません。

リフォームの施工品質~まず冷静に~

動画などを見ると、配信者の方が簡単に作業しているように見えるかもしれません。
また、テレビ番組でも、タレントさんが日曜大工の域を超えたリフォームをしているの見ると、不思議と自分でも出来るような気がするかもしれません。

しかし、日頃から日曜大工やDIYをご趣味になさっているならまだしも、未経験の方の場合には、まずは、簡単で影響の少ない所から取り掛かってみてはいかがでしょうか?

私たち建設業者でも、例えば、水道工事や電気工事など身近な作業についてでも自分たちで作業してしまう事はありません。
プロに任せます。
作業するとしても、余程、影響の少ないことに限ります。

多くの方々にDIYや日曜大工、ご自宅のことについてご興味を持っていただきたいのはもちろんなのですが、
まずは、作業可能な範囲、復旧できるかどうかの判断、結果に関して受け止める度胸、などを冷静に自己分析していただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。