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小さい傘、大きな傘、どっちが雨が掛からない
普通は大きな傘の方が雨が掛かりづらいですよね。
住宅で言うと「屋根」が傘に該当しますが、最近はその傘が小さな家が多くなりました。
どうやら、雨を直接、その体(外壁など)で浴びたいようです。
■傘(屋根)が小さいと家はどうなる
1 劣化が早くなる
屋根が無い家はありませんが、
屋根が外壁から飛び出している部分(軒)が小さい家が多いですよね。
土地の大きさの関係で、敷地いっぱいに家を建てようと思うと、自ずと軒の出は小さくせざるを得ませんが、敷地に余裕がありそうな家でも軒の出がほんのちょっとしかない家が多いです。
軒の出が小さいということは、ちょっと斜めから降る雨でも外壁や窓など住宅の垂直面にも雨が掛かってしまうということです。
それは、すぐに問題にはなるということはありませんが、
当然、外壁やシーリングなどの劣化を早めますので、
メンテナンスサイクルが短くなります。
2 雨漏りリスクが高まる
家は全体的に劣化が進むとは限らず、部分的に劣化の進行が早くなることがありますので、雨が当たる箇所が増えるほど、雨漏りのリスクは高まります。
そのため、劣化の進行が早い箇所に合わせて全体のメンテナンスが必要となります。
3 パラペットは傘ナシ状態
陸屋根と呼ばれる屋上のように屋根が外壁から一切飛び出していない場合は、傘が掛かっていない状態なので、外壁などは雨が掛かり放題となります。
そもそも、平らな屋根自体、メンテナンスのサイクルが短いのですが、なぜ古くから日本の屋根に勾配が付いているかを考えれば、それ以外の仕様にした場合には、相応の対応が求められることは理解しておいた方が良いと思います。
■屋根は後から大きくは出来ない
屋根の葺き替え工事は可能ですが、
軒の出を伸ばすなど、屋根の大きさを変える工事は容易ではありません。
弊社でも、屋根を切り詰めたことはございますが、屋根を大きくしたことは過去にも無かったと思います。
不可能ではありませんが、非常に大掛かりな工事と言うことです。
屋根の形状やサイズまで、お施主様がご指定になることは珍しいでしょうが、設計や施工した会社がその後のメンテナンスなどをどのように考えているか、それとも考えていないか、によっても変わってくるのではないかと思います。
長持ちする家を造ろうとする造り手のこだわりだけで家を建てると、シンプルな形状な無難な造りの家になりがちです。
ただし、
注文住宅の場合、お施主様のご意向が第一ですので、
造り手のこだわりだけで家が建つわけではありません。
そのあたりのバランスは難しいですが、
家づくりの理屈を理解しつつ、お客様のご要望を叶えるかが、造り手の腕の見せ所でもあります。
現実問題として、
家は戸建てでも集合住宅でも、
建てた後にも必ずお金が掛かりますので、
その後の人生プランにも関わってくる家のメンテナンスについては、
新築時にある程度は想定しておくと良いと思います。