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選ぶ側だけで決めないで

先日、東京都知事選が大いに盛り上がりましたね。

しかし、なぜか選挙後に注目されているのは、当選した都知事ではなく、
落選した候補者の方々、だと言う不思議な現象が起こっています。

エンタメとしては面白いのかもしれませんが、
自分たちが選んだトップが数年間にわたってどのような活動をしてくれるのかにも注目したいところです。

選ぶと言えば、
建設業者を選ぶ、ということがありますが、
業者数が多く、景気が悪かった時代は消費者から選ばれるだけでしたが、景気が悪くとも、業者数が激減する中では選ばれるだけではなくなっていきそうです。


■業者を選ぶ?業者が選ぶ?

1 中小企業は一般のお客さんと取引きが難しい

大手企業に一極集中しつつある建築業界では、中小企業の下請け化が進み、かつ、一人親方が増加していることで、多くの職人が大手企業の業務に携わっています。

そのため、年間のスケージュールが決められているなどして、一般の消費者からの依頼を受けられない、もしくは、空いた時にちょこちょこと工事を行わざる得ない状況が見られるようになりました。

この先はもっと増えていくものと思われますので、
腕が良い職人さんがいても選べなくなっていくかもしれません。

2 注文が多くなると対応しきれない

現場で施工しているのは職人さんだとしても、
窓口となるのが大手企業だったり、ホームセンターだったり、リフォーム会社だったり、営業と施工が切り離された業態のケースが増えています。

そのため、様々な要望や施工に関することなど細かい箇所になると営業窓口では対応しきれないことが増えています。

そこまで現場のことが分かっていない方では、細やかな対応は難しいですし、時間も労力も掛かってしまうからです。

3 業者から「NO」が出てくる

経費削減、技術者不足、人材不足などにより、全てのケースで適切な人材が時間を掛けて業務に当たることは現実的ではなくなってきています。

それを現場に丸ごと全部丸投げしてしまうケースもありますが、
ややこしかったり、時間が掛かったり、なかなか決まらなかったり、
すると業者側から「NO」が出てくることも多くなるかもしれません。

直接は言ってこないかもしれませんが、しばらく放っておかれたり、質問等の回答が無かったり、如何にもやる気がない態度で静かに「NO」を伝えてくることもあります。

ただ、今までは消費者から業者へ「NO」を言うのが当たり前だったので驚くかもしれませんが、建築も商いですので、どちらも平等であるため、どちらかも「YES・NO」は出しても良いとは思っています。

4 カスタマーハラスメントに敏感になっている

日本全体で景気が悪く、買い手市場の時代がずっと続いてきたこともあってか、「お客様は神様」だと自分で言い放つお客様が増えてきたそうです。

最近になってようやく、カスタマーハラスメントなる言葉などで企業側から意志を示す傾向が見られるようになりました。

建築業界では、元々クレームが多い業界とも言われておりましたが、今後はトラブルを回避する流れは加速し、難しい現場は敬遠されて行くのではないかと予想しています。

5 適正価格は誰が考えるのか

下請法などと呼ばれる法律により、下請けを守る流れが出来つつありますが、そもそもは消費者側からの過度な価格競争の煽りが影響を与えてきました。

しかも、相見積もりなどによる過度な価格競争を煽ってきたにもかかわらず、品質も確保させようとする苦しい時代が続いてきましたが、いよいよ人が減ってきたことで限界を迎えようとしています。

技術の価値が底辺まで落ちてしまいましたが、これからは価格と品質の整合性、妥当性、などが分かりやすくなっていくのではないかと思います。

6 どんな未来が来るのか

需要と供給のバランスが保たれれば良いですが、
このままでは供給側が死滅してしまいます。

そうなると、家の工事をしたいけど対応してくれるところが無い、
という難民状態になってしまう方が増えていくのではないでしょうか?

それだけが心配です。

それとも、施工を全くしない窓口の方々がロボットやAIにでも頼って何とか日本中の住まいを守ってくれる未来もあるのでしょうか?

最近、危機感を感じ始めてきましたが、小さな工務店の今の現状では改善することなど到底出来そうもないので、将来に向けて、前を向くきっかけになるようにあえて過激気味に書いておきたいと思います。

■最後までお読みいただきありがとうございます