#愛、相手を知るとは 私のエッセイ
特急にちりんに揺られ、曇天を眺める。瓦屋根とお墓、田んぼ、大きな川をいくつも越えるうちに景色は目まぐるしく過ぎていく。人の気配を感じないほど静かな集落には幾本かの、雨で花が落ちた桜の木。
そうしているうちにふと気づく。列車はガタガタと大きな音をたて進んでいるのに、心は静寂に包まれ、言いようのない寂しさが広がっていることに。
小さい頃からそうだった。都会の喧騒とは程遠い田舎を眺めるとなぜか孤独を感じるのだ。そして自分を内省する。私はどうなりたいのか、何を目指し生きているのか、私