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【黒単リアニ】における《カザド=ドゥームのトロール》が及ぼす影響

黒単リアニメイトは素晴らしいぞっ!

新年あけましておめでとうございます。
――もう1月も後半で新年らしさなど何処にもありませんが、2024年最初の投稿なのでお約束のご挨拶と思っていただければ幸いです。


さて、昨年リリースされた『指輪物語:中つ国の伝承』。
《一つの指輪》や《オークの弓使い》がフォーマットを問わず大活躍しているセットですが、それらと同じレベルで環境に影響を及ぼしたカードたちが存在します。
まぁ、レガシーを遊んでいる方々には直ぐに予想がつくでしょう。
(そもそもタイトルに《カザド=ドゥームのトロール》って書いてるし)

『土地サイクリング』を持つカードサイクル
黒単リアニで言えば沼サイクリングを持つ《カザド=ドゥームのトロール》ですね。

映画ではモリアの坑道で登場した奴とのこと。

僅か1マナで基本土地タイプを持つカードをサーチする。
マナベースの安定化に寄与しつつ、土地と違って単体でも何かしらの仕事をするカード。《カザド=ドゥームのトロール》と《ロリアンの発見》はレガシーでも非常によく見られるカードとなりました。
特にリアニメイトデッキでは『自分の能力で手札から墓地へ送ることが可能』『3体以上によってしかブロックされない6点打点』という点も噛み合い非常によく使われています。

このカードの登場以降、黒単リアニメイトは『如何に土地の枚数を減らすことが出来るか』が研究されているように思います。

しかし、それは果たして本当に正しい方向性なのでしょうか。

今回はその辺りを整理してみたいと思います。



【黒単リアニメイト】における《カザド=ドゥームのトロール》の影響

1.《カザド=ドゥームのトロール》登場以前のマナベース

《沼》が17~18枚に《Lake of the Dead》が2枚というのが一般的なリストでした。
【黒赤リアニメイト】では必須の《水蓮の花びら》は採用しているリストもありましたが、どちらかと言えば少数派でした。1ターン目の爆発力よりも安定性を優先する。それが【黒単リアニメイト】を選択する理由だからです。
(黒単信仰という宗教的理由で選択する人ももちろんいらっしゃいますが)

2.《カザド=ドゥームのトロール》登場以降のマナベース

まだまだ試行錯誤の段階なのか固定化されたリストというものは存在しませんが、《水蓮の花びら》と《カザド=ドゥームのトロール》を採用しているリストが主流となりつつあります。
先日は《不毛の大地》も採用した上で《沼》を9枚まで抑え、《水蓮の花びら》と《カザド=ドゥームのトロール》を4枚ずつ採用したリストを某パンダさんが配信で回しておられました。

3.マナベースの変化の原因は何か

変化した点を書き出すと
・《カザド=ドゥームのトロール》の採用
・《水蓮の花びら》の採用
・《Lake of the Dead》の不採用
となります。

  • 《カザド=ドゥームのトロール》を採用する理由
    これは単純明快です。
    土地としてしか機能しないカードより、フィニッシャーにもなるカードの方が強いに決まっています。
    『マナフラッドを回避する』為に土地の代わりに採用する人が増えるのは納得の理由です。

  • 《水蓮の花びら》を採用する理由
    《偉大なる統一者、アトラクサ》で10枚捲った際のヒット率を上げる目的も幾らかはあると思いますが、より大きな理由は《カザド=ドゥームのトロール》の存在だと思います。
    例えば初手の土地が0枚だったとしても、《水蓮の花びら》と《カザド=ドゥームのトロール》が有ればサイクリングすることで《沼》をサーチしながらトロールを墓地へ送ることが出来ます。
    《再活性》が手札に有ればそのまま釣り上げまで可能です。
    《カザド=ドゥームのトロール》が登場したことにより、本来は使い切りだった《水蓮の花びら》を土地に変えることが出来るようになった。
    これが《水蓮の花びら》の採用が増えた理由であり、結果としてリアニメイト戦術の速度も上がっているのだと思います。

  • 《Lake of the Dead》を採用しない理由
    《沼》の枚数を減らしているから、に尽きると思います。
    幾らサイクリングでサーチ可能とは言え、デッキ内の《沼》の総量が減っているのですから《Lake of the Dead》で生贄にすると次の土地を引けずに困る可能性は高いです。《不毛の大地》で割られたりしようものなら目も当てられません。

4.マナベースの変化の原因から見える【黒単リアニメイト】の変化

土地の枚数を削り、《水蓮の花びら》などのマナファクトで初速を上げる。
これは【黒赤リアニメイト】の基本戦略です。
勿論、最初から【黒赤リアニメイト】に寄せようとしている訳では無いと思います。
土地の代わりになる《カザド=ドゥームのトロール》を採用するところから始まり、《カザド=ドゥームのトロール》を採用するなら《水蓮の花びら》もあった方が強いだろう――という試行錯誤の行き着いた結果なのだと思います。
そして実際にその構築で結果を残している以上それが正義です。
何の結果も残していないプレイヤーが何を言っても烏滸がましいことこの上ないのを承知の上で敢えて言うのであれば

『だったら【黒赤リアニメイト】を使った方がいい』

というのが正直な感想です。
【黒赤リアニメイト】と同じコンセプトでは【黒単リアニメイト】は単なる劣化版にしかならないと思います。

5.総評

繰り返しになりますが、実績など何もない単なる【黒単リアニメイト】使いの一人が感じる私見としての総評です。

《カザド=ドゥームのトロール》登場以降に見られる、土地を極端に減らす構築は【黒単リアニメイト】の強みを失わせているのではないか。

決して《カザド=ドゥームのトロール》を採用することや《水蓮の花びら》を採用することが間違いであると言っている訳ではありません。
それらを採用しながらも『【黒単リアニメイト】であることの強み』を保てる構築を模索したいものです。