見出し画像

【基本設計】収入・支出管理

 知人から支出管理をできるようにしたいという依頼を前回受け、現状把握や要件定義行ってきた。今回はその続きで実際に運用できる仕組化の設計をするところまで述べていこうと思う。
 前回のおさらいで、主の要件としては以下の二つが前回挙げられた。内容を確認したい人は【現状把握・要件定義】収入・支出管理を参照いただきたい。

知人が仕組みに求める要件
・収支の見える化
・収支が黒字になる仕組み化

仕組化を設計する流れ

収支の見える化するための仕組み検討
収支が黒字にするための仕組み検討
⑶全体のモデル作成
⑷サービス選定を行い仕組化
⑸タスクの整理

 今回の基本設計は上記のような流れで行った。結論から先に述べると、今回は設計のみ行い、外部サービスで要件を満たすことができたので、独自の開発は発生しなかった。本来開発は必要な場合に行うもの(目的が勉強である場合は別)であるため、要件を満たす設計ができ、外部サービスで補えるのが理想であると私は考える。今回はまさに設計のみで完結した事例であった。

収支の見える化するための仕組み検討

 どうやって収支を見えるかするのかから初めに考えた。見えるかするには、収支を記録に落とす必要があり、通帳の記帳クレジットカードの明細家計簿などでログをとるのが一般的であると思う。
 今回は個人の収支を管理したいので、家計簿にログを落とす仕組みを検討した。また、私もそうだが知人も以前、家計簿に挑戦し、一ヶ月もすれば記帳しなくなるという前例があった。
 そのため、ただ家計簿をつけるというのではなく、極力自動で記入される仕組みにできないか検討した。その結果、この時点でマネーフォワードを利用すると言う案が上がった。

収支の見える化するための仕組み検討結論
・個人の収支を取るために家計簿を採用
・家計簿のつけ忘れ防止のため、入力を自動化
・マネーフォワードを後に検討

収支が黒字にするための仕組み検討

 次に黒字化するための仕組みの検討を行った。まず、黒字化すると言うのはどう言う状態かを先に考えた。当たり前かもしれないが、黒字とは支出(使うお金)が収入(得るお金)より小さい状態である。
 収入を増やすと言う思想はないと言うことを前回のヒアリングでわかっていたので、支出に着目することにした。
 支出は大きく次の二つに分けることができる。①固定費②変動費の二つである。一般的な定義からはそれるかもしれないが、固定費毎月かかる請求額が変動しにくい費用で、ライフラインとなる生きていくために重要な支出(住宅費・通信費・光熱費など)である。一方、変動費は食費や交際費など、調整できたり浪費して増えたりする月によって変わりやすい費用である。
 固定費は払わなければならない費用であるため、削減しにくく、削減するのにコストがかかる可能性が高い。そのため、変動費を調整することにし、変動費を一定の枠に収めると言う制約を設けることにした
 また、具体的な案として、固定費と変動費の口座を分けることが妥当と言う結論に至った。

収支が黒字にするための仕組み検討の結論
・支出は固定費と変動費に分けられる。
・今回は変動費を調整する仕組みを検討
・具体的な施策としては固定費と変動費の口座を分けて運用

⑶全体のモデル作成

 ⑴と⑵の仕組みの方向性が見えたところで、全体をどのような構成にするかモデルを策定した。下記の図のようになるが、取り入れた仕組みとルール先ほどの仕組み2つ加えて次の5つとなった。

モデルに取り入れた主要な仕組み
家計簿の自動化
変動費と固定費の口座分離
決済手段の優先順位
現金とキャッシュレス口座の分離
変動費の上限額を設定

支出管理設計 (3)

 変動費の決済手段現金口座キャッシュレス口座に閉じ込めることで、毎月メインバンクに収入が入り、そこから固定費を差し引いた額自動的に貯まっていくと言うモデルになっている。また、決済手段ポイント還元率の高いキャッシュレスサービスから使用し、次にデビットカード、現金、クレジットカードの順で利用すると言う運用ルールを設けた。
 現金支払いが発生するとその分家計簿アプリの手入力が必要になり、また、クレジットカードは支払い感覚が欠如するため、優先度を下げてある。

⑷サービス選定を行い仕組化

サービス選定は以下のようになった。

家計簿アプリ
・マネーフォワード 理由:連携できるサービス数が多い、無料でも高機能
サービスA
・paypay 理由:還元率が高い
サービスB
・linePay 理由:マネーフォワード で監視できる
キャッシュレス口座
・ジャパンネットや楽天銀行など、
・理由: キャッシュレスとの相性が良く、デビットが使えるものを検討
他の口座・サービス
・既存のものを使用

⑸タスクの整理

 ⑶でだしたモデルに⑷のサービスを当てはめ決済の周り仕組化を設計した。今回は外部サービスのみで設計が完了したため、具体的な依頼主のタスクとしては以下のようなものになった。

今後のタスク
・マネーフォワード と口座の連携
・キャッシュレス口座の開設
・メインバンクのダイレクト口座開設or連携?
・通信費の紐付けをメインバンクに変更
・教育費の支払いをメインバンクに変更
・決済サービスCを解約
・クレジットカードの請求先をキャッシュレス口座に変更
・キャッシュレスサービスの紐付け先を変更
・給振り口座をメインバンクに変更
・給振りのタイミングで変動費口座へ振り込み(毎月の運用)

まとめ

 今回は収支に関わる仕組みの設計を行ってきた。今回作ったモデルが正解なわけではなく人や状況によって最適な仕組みは違うため、システム周りを整理する際には、個人の事情に合わせた設計が必要になる。
そのため、万人に通じるモデルというわけではないが、設計収支が気になる人には是非参考にしていただきたい。
 また、一度行った設計をもとに運用してみるとさらなる問題点が見つかる場合がある。ある程度は運用で耐える必要もあるが、どうしても回らない時は仕組みの見直しアップデートが必要となる。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?