【要件定義】メモ帳のデータ整理

今回は知人の依頼で、メモ帳のデータを整理して欲しいと言われ、要件定義を行ってきたので行ってきたことに関してまとめようと思う。要件定義というと、大規模システムの開発をイメージしがちだが、今回は個人での依頼で小規模かつ日常的なものなので、イメージしやすいと思う。そのためぜひ要件定義の参考にしていただきたい。

メモの要件定義の流れ

⑴困りごとの確認

⑵メモの種類の洗い出し

⑶メモの名前の認識を統一

⑷今回システム的に見直しが必要なメモ

今回行った要件定義の流れは上記通りである。⑷で絞られたものに関してはシステム開発や新しいアプリの導入など必要となってくる。それでは⑴から順に説明していく。

⑴困りごとの確認

今回は最初に困りごとの確認から行った。ユーザが何に困っていてどうなるのが理想であるかを把握しなければシステムを開発した後で無意味になってしまう。そのため、相手の立場に立ちヒアリングをし、困りごとを共感できるようにするまで落とし込む必要がある。

ヒアリングした内容
・「2016年ごろから日常生活でメモを取っているのだが、多すぎて管理できてない。」
・「メモ帳に残してあとから見直したいがどこにあるかわからなくなる」
・「何度かフォルダ分けは試みたが、うまく体系化できていない」
・「一過性のメモと永久的に使用したいメモが混在している」
etc...

私もよくメモはとるのだが確かに1年前に取ったメモなどが活かされる機会はなく、うまく利活用できるのが理想であると感じた。おそらく、メモとは言っても用途が様々あり、それを同じ仕組みに押し込めようとするために無理が生じるのであろう。

⑵メモの種類の洗い出し

⑴の困りごとを整理した際にメモを取る用途が様々なように感じたため、⑵では現時点でどのようなメモが存在しているのかを洗い出すことにした。知人と私とでそれぞれ15分ほどで今使用しているメモの用途の洗い出しを行った。

洗い出しの結果
知人
・日記
・ライフログ
・記事の推敲
・記事のタネ
・記事のアイデアメモ
・勉強ようメモ
・個人情報メモ
・一過性メモ
・画像・URLメモ

・日常めも(一過性)
・覚えておきたいメモ
・リンク・画像URL
・気付きメモ
・感情メモ
・個人情報メモ

*ここで重要なのは、ありのまま自分の使い方を洗い出すことである。下手に丸めてしまうとシステムのあるべき姿と現実の仕組みが乖離してしまうためである。
私と知人とでだいぶ違うように見えるが、実際は記事周りがあるかないかの違いで言葉を統一すると同じような概念であると分かった。

⑶メモの名前の認識を統一

今回我々のメモの概念は以下の6つに集約することができた。もちろん、メモはこれが全てというわけではなく、我々が利用するメモは今のところこの形に集約されるということである。また、システムを利用する人が増えたり、新しいメモが生まれたりすることは当然あり、その場合は見直す必要が出てくる。しかし、システムの見直しはやり直しではなく、行えば行うほど知見が蓄積されるのでより精度の高いものになると言える。

統一したメモ
・一時的なメモ ←日常めも(一過性)+一過性メモ
・勉強メモ ←勉強ようメモ+覚えておきたいメモ+気付きメモ
・記事メモ ←記事の推敲+記事のタネ
・アイデアメモ ←記事のアイデアメモ+気付きメモ
・テンポラリーメモ(一過性か永続的か判断しにくいメモ) ←画像・URL+日記+ライフログ+感情メモ
・個人情報メモ

⑷今回システム的に見直しが必要なメモ

上記で記したのが今回整理して分かった我々がメモとして普段使用していた概念のものである。これらを総称して全てメモと読んでいたことがわかった。そして、この中からどのメモの仕組みを考え直す必要があるのかを割り出したのが下記のものである。

仕組みの再構築が不要なメモ
・一時的なメモ 献立など用を果たせば不要になるため、仕組化不要
・個人情報メモ エクセルなど、既存のアプリで管理できるため不要
仕組みの再構築が必要そうなメモ

・勉強メモ
・記事メモ
・アイデアメモ
・テンポラリーメモ(一過性か永続的か判断しにくいメモ)

まとめ

今回要件定義で行ってきたこととしては、⑴困りごとの確認メモの種類の洗い出しメモの名前の認識を統一今回システム的に見直しが必要なメモ
の4ステップである。そして出た結論としては、勉強メモ・記事メモ・アイデアメモ・テンポラリーメモの4つが仕組みを再構築する必要がありそうであった。次回は今回定義した要件をもと基本設計に入っていこうと思う。
*あくまで今回行った手法は要件定義のやり方の一つに過ぎないため、これが全てではないことをご了承いただきたい。また、今回出した結論はあくまで我々の普段利用しているメモから割り出したものである。そのため、他にもメモの用途は存在する可能性はあるが、今後要件定義を進めるときの参考にしていただければ幸いである。

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