讒文芝居

●最近の此のバンド弩豪い。

門外漢だから、間違って居る乎も知らんが、ポリリズムと謂うのは、
変拍子の事で在る。ロックの世界ではプログレッシヴ・ロックに顕著だ。
「キリマン・ジャロ」では無く正しくは「キリマ・ンジャロ」みてえ喃。
他の国、現代で何と無く慣習と然れる区切りでは無いオフ・ビート喃律動を
混ぜ足りする。

まあ、プログレと謂うのは、何でも這入る四次元ポケットみてえ喃ロックと
捉えて欲しい。

変拍子は、何もプログレの専売特許では無く、
プログレが何でも吸収する裡に民族音楽が持つ、変拍子要素をも取り入れ度
(まあ、諸説在るが、ロックだって、初からミクスチャー音楽で在り、
吟遊詩人音楽【ケルト】+ソウル【アフリカン・アメリカン】の混合)
音楽なのだ。乱暴に謂うと、
其れを打ち込みで遣ったのが、テクノやエレクトロニカ。

小節で拍子が違っ足り、急激何喃転調にて全く違う曲調に持ってっちゃう。
だから、聴く度に発見が在り、深みが在り、幾度聴いても、飽きぬ。

一説には、印度は室内で耽溺する用、
伯剌西爾や阿弗利加は断然踊る用だと然るる。

今回、御紹介する「ブラザーリー」と謂うバンド。
所謂「ネオ・ソウル」だのだろうが、
「ファンカデリック」や「ハイエイタス・カイヨーテ」の如き
一見さんや俄か御断りの第一印象っぽき「ゴリゴリさ」が、無い。

断然都会的印象だのに拍子の摺らしが、物凄く阿弗利加土着印象だのだ。
凄く相反して居るが、其れを体現して仕舞って居る。
拍子の摺れが、もう、箍が外れ度では済まぬ緩さで、決めはスパッと。
曲調は、上質シティ・ジャズやポップの如しだのに、編曲や拍子のみ本格。
其れは、他のネオ・ソウルも然うだのだが、幾らでも、
マニアックに遣り勝ちだのを、敢えて「せぬ」と謂う抑えが素晴らしい。
「一見さん、俄かさん、何方も普段着で御這入り喃済。作法は心配御無用」と限界迄敷居を下げて、
然乍ら、料亭並の本格懐石を惜し気も無く出して呉れるファミレスの様だ。

筆者は、一聴して、ブレイク・ビーツ・ジャズの如くサンプリングした生音の継ぎ接ぎで、打ち込み要素が大の最近の様式で演って居るの乎。
岩村学さんの様に本格的生音でも出来る御仁が増えた喃ー、
と想って居たが、殆ど人力で演って居るのも、眼から鱗。
四方八方から去来する御洒落ソウルフルなヴォーカルと
一風変わっ度創り籠みの妙をば
是非にも、ヘッド・フォン推奨にて味わって戴き度く。