讒文芝居

●最近の此のバンド(ユニット)弩豪い

今や、稀代の流行の坩堝と化したヒップホップだが、
怖ろしく(日本では)
流行って無い頃にも、後世畏る可しミュージシャンは居た理由で。

思想や意志を全面に押し出した
ハーコー(ハードコア・ヒップホップ)なライム(韻)やフロウ(流れ)
よりも、「チボ・マット」(食いしん坊)と謂うユニット名に
忠実に食べ物等の「好きな物」を衒い無く
全面に押し出して、客を疲れさせぬヴァイブス(雰囲気)
洒脱で力の抜けた遊び心が、此処ぞと炸裂する。

ラップなのか歌なのかも曖昧で在り乍ら、
英語の発音の快さや羅列丈で、老若男女を楽しくさせる
根源的原初的(プリミティヴ)な音楽性は只事ではない。
ヒップホップの御祖父さんで在る「ジャズ」
アントニオ・カルロス・ジョビン御大の編み出した
スーパー・リラックスな発明「ボサノヴァ」迄含み、
時にイルマティック(打っ飛んでいる)、
時にリリシズム(叙情的)。時にビザール(複雑怪奇)。

変幻自在に、実は門外漢にも取っ附き易い
アンニュイ(気怠い)な「雑食」
ヒップホップ、トリップホップに仕上がっている。