映画感想「仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏」(Filmarksより)
恒例のVシネクスト、個人的には仮面ライダーグリスから全て映画館で観ているので今回も。
TVシリーズの8年後を描く後日談。
それぞれの人生を歩む剣士たちだが、この8年の間に交流を持ったある男によって一つの大きな事件が起こる…。
コロナ禍の影響もあり一年を通して低調な物語で終わってしまった、という印象のセイバー。劇場版も短編か戦隊との合作しか無く「芯のない作品」というイメージだったが、ここでようやくその真価を発揮してくれた。
神山飛羽真という男は、自分と関わった人達を自分より大切にしてしまう優しさの権化。それゆえに傷付き苦しむが、選ばれた男として力を得ていった。
今回、何故8年後という設定なのかは最後に明らかになるがTVでは見せられなかった俳優陣の一年間の積み重ねが存分に披露された。
飛羽真、倫太郎、賢人の三人に、己の過去が残忍な刃となって襲いかかり、まるで同じキャストによる別作品の様な空気感の中で戦いが繰り広げられる。
この苦しみを三者三様に表現し、観る者を圧倒してくる骨太のドラマとなり仮面ライダーセイバーは幕を下ろす事になった。
エピローグには日曜朝の特撮的な緩さがあったものの、終始重く冷たい雰囲気で難しいテーマを力強く落とし込んだ秀作だと言える。
もしこの色で一年間やっていれば、セイバーは語り草になっていたかもしれない。
「救えなかった人のぶんまで背負って、剣士として生きます!!」
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