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スト6のシステムを過去作から分析してみる(前編)


ストリートファイター6、通称スト6の発売までいよいよあと一週間になりました。
私、steam版を予約購入致しましてあとは発売日を待つばかりです。仕事の都合でガッツリやれるのは数日後になりそうですが(泣)。


クローズド、オープンとベータテストも3回あり、体験版も配信されているのでもう基本的なシステムの理解と周知は進んでいますが今回、これがとても多くて複雑です。ここから6~7年、競技として使われるゲームになる宿命ですのでそのルールが練り込まれたものになるのは必然ですが。
システムの詳細については、すでに解説動画が幾多の有志によって作られてますので緩いプレイヤーである私がわざわざ書く必要もありません。

ここは、あえて自分の格ゲー歴から見た各システムの印象、という観点で見てみようと思ったのがこの記事の趣旨です。

システム全体をまとめられている動画も豊富です。

1・ドライブインパクト


これはスト4のセービングアタックLV3が元だと思います。共通システムでワンボタンでのガード崩し。初心者帯で猛威を振るいそうですが、シチュエーション次第で上級者も使う事になるのでしょうか。しかしどちらかと言えば本当にビギナー向け、見栄え重視の技で敷居を下げるための「ウリ」にしているシステムといった印象を受けます。
スト4でもレベル3まで溜めて撃つ場面は大会ではほぼ見られず、構えを見せてからの駆け引きに留まっていた気がします。つまり、突き詰めると「死に技」になってしまいそうなのですが、これは今後どうなっていくか…の要素ですね。

2・ドライブラッシュ


これこそスト6のオリジナリティではないかと思うシステムですが、元になっているのはZERO3のVイズム、カプエス2のAグルーブでお馴染みのオリコンと、スト4のセービングキャンセルの併せ技、といった印象です。オリコンと言いましたが感覚的には3rdユンの幻影陣に近いかもしれません。エフェクトが付いた状態で延々と技を繰り出す訳ではないのでオリコンと同じようには見えないかもしれませんが、これは「強制的なターン奪回」という意味でオリコン的だと捉えています。このゲームのスト5との決定的な違いとして、ガードで有利フレームが取れる通常技が少なく、また最速の技が3Fから4Fになった事から全体的に立ち合いが鈍くなった点があります。そこを解消しスピード感を出すためのシステムだと思っていて、これに他の防御システムが絡むことでこのゲームの独自性が出てくるのでは、という印象ですね。
通常技をキャンセルして走れるというのはセビキャン的でもあり、KOFのクイック発動も彷彿とさせます。現時点ではかなり強そうなので、キャンセルだとゲージ3本消費、は妥当だと思いますが素の発動でも2本消費でいいのでは…という気がしている程です。

3・ドライブパリィ


防御システム。
これの使い方が一番差が付くポイントではないかと思ってますが、これはスト4のセービングと、前作のVシフトの併せ技、結果としてスト3のブロッキングに近くなったというこのシリーズの防御システムの集大成ではないかと思っています。

まずスト3でブロッキングという「相手の技に合わせて前、または真下にレバーを入力すると打撃は全てノーダメージで捌くことができる」というシステムが導入され、これがある意味格ゲーの全ての問題点を解決する理想的なものでした。スト3三作目では効果音が変更され見栄えもよくなり、世界一有名な格ゲー動画であるあの「背水の逆転劇」が何故フィーバーしたのかはブロッキングの完成度が全てなんですね。

しかしブロッキングはリスクもあり、初心者にはハードルが高い。タイミングがシビアで中・下段の使い分けも必要。
そこで4ではセービングという、誰でもひとまず攻撃を凌げるシステムに代わり厳しい攻めで一方的に倒される事がないように工夫が凝らされてきました。5では最終シーズンにVシフトという「ゲージ使用という制約の代わりに、ボタン操作で出せるバックステップ」という「表か裏か」の攻撃をしのぐ手段が追加され、これもジャストタイミングだとスロー演出が入り有利な時間が増え、反撃に転じられるという要素がありました。
こういう歴史を追うと、防御システムというのは

・入力の容易さ、汎用性
・見た目の良さ(捌いた、という視覚効果)
・それを狙うことに伴うリスク、攻撃側とのバランス

これらを兼ね備えてなければ優秀なシステムとは言えず、調整が極めて難しい対戦格闘ゲームの肝、開発者泣かせの部分だと言えます。
それゆえに過去のもののミックスになってしまうのは仕方ありませんが、今回はジャストパリィ後の反撃は補正50%など、とにかくよく考えられているな、という制作者の苦心を感じられるので好印象ですね。
ブロッキングが最適解だと思っていてパリィも似た部分がありますが、ゲージが必要なのと空中ではできない事、ボタン入力であることから別物だと思っています。ですがそれによってこれを踏まえた読み合いが発生する事はブロッキングに近いですね。

長くなったので、次回に続けます。

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