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映画感想「北極百貨店のコンシェルジュさん」(Filmarksより)

私用で映画館近くに来たので、上映時間的に手軽だと思い鑑賞。

動物ばかりが訪れる北極百貨店、そこの新人コンシェルジュである秋乃は誠実で一生懸命だが一癖二癖ある客たちに四苦八苦。
お客様に「NO」は禁句の高級百貨店で、秋乃は試用期間をクリアし本採用になれるのか…。

一見、絵本の世界のようなほのぼのした世界観で理不尽な労働を強いられるブラックコメディに見えるが、VIAと呼ばれる絶滅危惧種の客たちへの対応、その横柄な態度を交えて作品のテーマが見えてくると予想以上に大きな話だと驚かされる。
思い出したのが12〜3年前の「オーシャンズ」。ひたすら生物たちを見せ、その生態を侵し続けた人類を悪者だと言い続けるだけの説教動画だった。映画館で寝てしまった唯一の作品だったが、この映画は似たテーマをアニメならではの設定と描写で救いのある娯楽作に仕上げている。これが「これで良かった」と受け取れるか否かは十人十色であろうが、少なくとも人間を悪だと言うだけの押し付けは無いので安堵の気持ちを持てたのは大きな違い。

そして今作のツダケンには感動させられた。同じ動物の役でも別作品のキリンよりマンモスの方が良い(笑)。マンモスサイズのお茶を秋乃が持ってくるところは面白かった。
ややもするとホラー的でもある設定、世界観ではあるが主人公の成長を描く王道のドラマでもある。環境問題に警鐘を鳴らす作品はかくあるべし、そんな指針を感じられる良作だった。


接客業におけるクッション用語の勉強にもなった(笑)。

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