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仮面ライダー555新作発表…「続編」には、夢があるべき

先日、東映からこんな発表がありました。

来年の話ですが、20周年という事で仮面ライダー555の新作が制作されるとの事。新フォーム?の姿も見えファンのざわつきが私の観測範囲内でも散見されました。
こちらについてはこれから徐々に明らかになっていくと思われますが、メモリアル作品を謳ったTVシリーズの続編といえば、昨年のあるものを思い出さざるを得ません。

「復コア」は、温度差の悲劇

去年、仮面ライダーオーズ10周年作品として発表された「復活のコアメダル」です。「世界の崩壊」と「バッドエンド」だったことから物議を醸したことは周知の事実だと思います。特に否定的意見の辛辣さが、怨恨のレベルにまで達しており未だにこの作品については呪詛が飛び交っている有様です。この現状が、555新作にも期待より不安を大きくさせているように見受けられます。
「復コア」は、劇場での先行上映があり半年後に映像ソフト発売といういつものVシネの流れでした。しかしこの2つのポイントでそれぞれネットは荒れまくった記憶しかありません。オーズ続編という事で話題性から興行的には成果があったようですが、仮面ライダーというコンテンツに影を落としたのは確かだといえます。ファンの作品への思い入れと、製作側の「10年前の作品」たる認識、ここに決定的なズレがあったゆえの結果ではないかと分析していますが、温度差が想像以上の軋轢を生んでしまいましたね。

私も感想文を書いていますが、基本的には「肯定派」です。
主役二人の演技には目を見張るものがありましたし、キャスト陣がオリジナルの面子のみなのも純然たる続編の趣きがありました。大方、外伝的な小話で終わるVシネで大胆な話をやったな、という点も評価しています。しかしTVシリーズを心底愛しているファンにとっては悲しい作品であろうな、という気持ちもあり手放しに持ち上げる事は出来ませんでした。加え、ネガティブの代名詞になりつつあったこの作品は個人的に忌避感を持つに至り、あまり話題に上げなくなりました。

前年から兆候はあり

そもそもこの作品の前から、ゼロワンのVシネである「滅亡迅雷」と「バルカン&バルキリー」の内容&評価が酷似したものだったので、この時期の作品の悪い傾向だったと言えるでしょう。オブラートに包んで言えば「未来を断ち切る」方向の続編群。その流れに10周年のオーズが呑みこまれた格好で、ファンにとっては不運だった…で済まされないのも承知ですが。

基本的にTVシリーズの続編、それは夢があるものだと思っています。楽しんだ作品が終わった時には「もしも続きがあったら」がファン心理として必ず芽生えるからです。
仮面ライダーのVシネについては別記事で苦言めいた事を書いたこともありました。

この記事に書いたことと絡めて、結論づけると…

「続編と言う夢を、受け止める覚悟の無い作品。それが作られてしまうVシネという媒体の存在意義を、製作側は考えるべき」

という感じでしょうか。

555新作も、おそらくは「どうでもいい作品」

「パラダイス~」についての推測ですが、20周年にかこつけて立ち上がった企画でありTVで描けなかった結末を…のような意志はないのではないでしょうか。既に「仮面ライダー4号」で乾巧の物語を完結させている上でそれを否定にかかるのか、それとも新たな展開を腑に落ちる形で描けるのか。555は6年ほど前に視聴したきりなのですが、もう一度観たくなった、と思わせてくれるのか。

現状、それは難しそうだと思ってしまいますね。
現在映画館で、「意志のある」仮面ライダー映画を観ていますから、尚の事Vシネに心を動かされるような気概を感じられるか、それは厳しいのではないかと。

せめて、温度差で罵詈雑言が飛ぶような状況は避けて欲しいと思っていますが、「復コア」を踏まえての続編であるならばお手並み拝見、の気持ちで待ちたいですね。

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