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ウルトラマン ニュージェネスターズ4話感想…語り継がれる「家族回」

昨日の「ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ」第4話で、ウルトラマンXの第15話「戦士の背中」が放送されましたね。

奇しくも昨日、父親にまつわる話を書いたところでこの回を再び観る事になり、奇妙な繋がりを覚えてしまいました。
まぁ、こちら(自分)の父親は、神木隊長のような立派な方ではありませんが(苦笑)。

隊員の家族が描かれる回は、ほぼ名エピソード

ウルトラシリーズは、ウルトラマンに変身する主人公が防衛隊の隊員である、というのが大方のフォーマットで、その防衛隊の隊長、隊員達はドラマを彩るレギュラーメンバーなのですがその背景や家族は、普段は描かれません。たまに描かれると、なかなかに濃い話になることが多く印象深いエピソードになる事が多いですね。
たとえば私の一押しであるセブンからは、24話がフルハシ隊員のお母さんの話なのですが…これがフルハシ隊員の生命に関わる事件が起こり、圧倒的な親子ドラマが描かれます。「泣き笑い」という、毒蝮さんの魂の籠った演技を見ることができます。

今回放送されたエックスの15話も、任務と家庭の間で揺れる父親の姿がテーマであり、神尾さんが真意を読ませない渋い表情を見せてくれています。

ドラマの基本は葛藤である、と言われます
これほど明確なドラマはありませんね

普段、出撃し怪獣と戦うだけの防衛隊メンバーのプライベートに踏み込む回はいずれも「ドラマ」に満ちています。平和を守るという、全てにおいて優先されなければいけない仕事と、愛する家族との時間を天秤にかけなければいけないのは、最上級の残酷さを持った現実となるからです。
思えば、最新作ブレーザーのゲント隊長も、ずっと同じ悩みの中で戦っていましたね。ようやく取れた休暇、家族との時間のさ中に、やはり怪獣が出現するのが定番ですが、実際この立場が自分だったと想像すると、どれほど怪獣が憎たらしいでしょうか。しかし隊長という立場で、隊員達の命を預かっている身。感情的になって判断を誤ってもいけない…考えれば考える程、胃に穴が開いてしまいそうな、「ドラマ」なんですね。

エックス15話では、絶縁状態にあった娘の結婚式の時間に、サイバーゴモラを操り戦う隊長の姿…これがクライマックスです。結婚式のBGMに乗せて拳を振るう神木隊長。ウエディングドレスで、父親を待つ娘…人生の節目の催事、観ている方が胸を締め付けられるカットバックでした。
疎遠になったキッカケである妻の最期も描かれていますが、こうあっても本心ではお互いを想っている父と娘の心情が伝わるんですね。
そんな、重くも美しい物語の次に、世紀のギャグ回とも言われる16話が来るのが面白いところですが、そういえば15話シリアス→16話ギャグという流れはウルトラマンマックスと同じだな、と今頃気付きました(笑)。

もちろん、どちらも大好きです。

作品への愛がある、つなぎ番組

ウルトラマンが現在の体制になり毎年新作が作られるようになってから、もう11年が経ちます。ギンガからブレーザーで11作を数え、今年の新作が始まればそれが12作目となります。
これは一年番組を作っていた頃の「無理」を見直し半年に切り替えて、軌道に乗せた改革の結果なのですが、あいだの半年は過去作の総集編番組で繋ぐのが定番になっています。
この流れももう慣れて、総集編番組定番、合間に入る小ドラマも楽しみになっている訳ですが…

今週は、X15話本編をほぼそのまま放送、普段入っているオーディオコメンタリー的な台詞も一切入っていませんでした。
これは、やはりこの「戦士の背中」をじっくり観て欲しい、という計らいだったのだと思います。思えばエックスも早9年前の作品、小学生だった子が高校生や、ややもすると社会人になっている訳です。当然、今の小学生は観たことが無い、と言われても無理はありません。
この名作回をとくと見よ、そんな意志を感じる再放送でしたね。ただ隙間を埋めるために過去作を流すだけの番組ではなく、ここでもしっかりウルトラマンを知って、ファンになって欲しい…そんな思いを感じる、今週の放送でした。

…もっとも、今はサブスクがあったりして過去作も案外、しっかり観ている子供が多いとも聞きましたが。
仮面ライダーWなど一回り前の作品ですが、知名度が圧倒的に高いんですよね。

放送時の大地役・高橋健介くんのTwitterより。
田口監督と主役、ゲストの並びですが
どう見ても新郎新婦と父親(兄?)ですね(笑)。

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