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映像作品感想

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映画中心の感想集です
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2023年9月の記事一覧

映画感想「沈黙の艦隊」(Filmarksより)

主題歌目当てで鑑賞。 原作は未読だけれど、詳しい知人から概要は聞かされていた、くらいの認知度だった。 米軍第七艦隊の原子力潜水艦、シーバット艦長に任命された海江田四郎が、初航海の最中驚きの暴挙に出る。さらにその後、明らかになる海江田の目的が世界中を揺るがしていく…。 かつての同胞、深町は海上自衛隊の潜水艦でシーバットを追う事になる。 原作の連載時とは世界情勢が変わり、政治描写や軍備にまつわる部分が時代錯誤になりがちな素材ではあるが…どうだろう、この作品、むしろ現代にこそ刺

「映画プリキュアオールスターズF」感想…プリキュアって何?の答え

つい先ほどこんな記事も出ましたが、映画プリキュアオールスターズF、公開から一週間でまだまだ好調な客足だそうで喜ばしいですね。 特に、個人的にもこれまで観たプリキュア映画の中で出色の出来栄えだったと思うので、改めて感想を書き連ねます。 実は今年の「あの映画」と同タイプ 初見の感想はこちらです、で、本日3回目の鑑賞をしてきて、特に大きく印象が変わったわけではないですが、ある気付きがありました。 今回の映画、まず謎の世界から始まり、そこで他作品のキャラ達と出逢い親交を深め、世界

映画感想「2分の1の魔法」(Filmarksより)

五ヶ月ぶりの映画館でIMAX鑑賞。 文明の発達により魔法が忘れられつつある、多種族混在の世界。 イアンとバーリーの兄弟が父の遺した魔法の杖を使い、その父を蘇らせようとするが魔法は半分しか成功せず…。 流石のピクサー、冒頭からラストまで隙が無い。 細かなシーンや台詞が全て伏線、兄弟の冒険の最中でそれらが如何なく使われ、回収されていく。 もう一つの軸になる母親の行動は障害になるのかと思いきや、終盤で見事に兄弟と結びつく。 個人的には、終盤のある場面転換に「やられた!」と思い心

映画感想「ピクセル」(Filmarksより)

80年代ゲームのプレイヤー達がゲームキャラを模した宇宙からの襲来に立ち向かうコメディ映画。 ゲーマー=オタクというイメージがついて久しい中、メインキャストの三枚目ぶりがコメディ要素として上手く機能している。 全体的に薄味で盛り上がりは小さいものの、登場するゲームを知っていれば楽しめるしここまでの映像表現が可能になった、というデモンストレーションとしての価値もある。 ライバル・エディの吹替が神谷明さんで、同じく80年代ネタがふんだんに盛り込まれているので30〜40代の方には

映画感想「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」(Filmarksより)

世界一有名なゲームの実写映画。 しかしゲームでは万能のヒーローであるマリオ、実写版ではただの配管工のオジさんであり、主人公らしい見せ場に乏しいのがこの映画を起伏に乏しい退屈なものにしている。 93年当時としてはCGによる映像表現が画期的だった事が注目されたが、ゲームの映画化がそもそも珍しかった。

映画感想「映画プリキュア オールスターズF」(Filmarksより)

毎秋恒例の劇場版ながら、今年は20周年を掲げた記念作品。 と、いうコンセプトでいえば5年前のオールスターズメモリーズとどう差別化してくるか、というところが見ものだったが、堂々たるスペシャルストーリーを届けてくれた。 ソラが謎の世界で目を覚ましたところから始まる。 ひろプリ勢が分かれ、それぞれ4組のプリキュアチームになって世界の謎を解き明かすべく「城」へ向かう。道中キュアシュプリーム、プーカという新しい出会いがあるが、彼らこそが世界の秘密に大きく関わっている…。 中盤までオ

映画感想「一度死んでみた」(Filmarksより)

広瀬すず、堤真一のコメディ映画。 父親嫌いのバンドマン娘だったが、その父が死んでしまい、気が済まない為に生き返らせようとする。 テンポの良い軽快な展開。細やかに伏線が回収される鮮やかな脚本。 最後の火葬場でのオチは上手い!と膝を打つところだった。 地味ながらしっかり主役七瀬の相棒としていいキャラになっている吉沢亮も好演である。 冒頭、面接とライブを重ねて設定説明しているのも見事、自然に親子関係が把握できる。 霊が見えるが、話は出来ないというのも面白いカセだった。 全体的に

映画感想「第三の男」(Filmarksより)

第二次大戦直後の作品であり、ウィーンの街並みと当時の社会的な問題を表現したサスペンス映画。 友人の死に疑問を抱き、作家でありながら独自の捜査を始めるホリーは友人の恋人で 女優でもあるアンナと出会い真相に迫っていく。 サスペンスではあるがやはり世の実情を映した社会派ドラマの色が濃いと思った。 撮り方の上手さや音楽の美しさで引き込んでいき、有名な最後の長回しがひときわ印象に残る。 戦争は勝敗問わず、国を傷つけるものだと訴えられている気がした。

映画感想「翔んで埼玉」(Filmarksより)

4年前に単行本化された、35年前の漫画の映画化。 東京、埼玉、千葉、神奈川、関東の県がそれぞれ国として分かれているかの様な世界観で争いが巻き起こる。 埼玉県民ではあるが特に思い入れの無い人間として楽しませていただいた。 GACKT、伊勢谷友介、京本政樹といったキャスティングもお見事、全員存在感だけで笑いが取れる。 池袋で鑑賞したが、偶然にもそれが更なる笑いを生んだ事が個人的に一番のクリティカルヒットだった。 エンドロールでも笑えて、最後まで隙がなかったエンターテイメント。

映画感想「YOSHIKI :UNDER THE SKY」(Filmarksより)

28年前、ミュージックステーションスーパーライブでX JAPANを観た時からのファンとして鑑賞に赴いた。 若い頃の破天荒イメージが未だに強い人だが、日本から出たことのない日本人から見るとここまで凄い人だったのかと感服する、記録映像。 このバースデイライブは「やる、というのを聞いた気がする」程度の認知だった。おそらくはここ数年の活動の拠点が日本ではなかったので、ファンといってもそういう人は多かったのではないか。この映画によってそれを届けてくれたので大変有意義だったといえる。

映画感想「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」(Filmarksより)

前作から4年ぶりの新作。 冴羽獠の元に今回は、動画撮影の為に日本を訪れたという美女・アンジーが猫を探して欲しいと持ちかけてくるが、それは真の依頼ではなく…。 獠の過去に繋がるキャラとその因縁が描かれる、実は新章の始まりになっている劇場版だった。 前作のドローンと同じように今回も現代的な要素は出てくるが、それが違和感にならないレベルで「いつものシティーハンター」だった。そもそも「最強系主人公」の代表格でもある作品なので、冴羽獠を窮地に追い込むにはただ強いだけの敵では足りな

映画感想「SAND LAND」(Filmarksより)

この夏の話題作、として夏は終わったが観てきた。 砂漠の国、サンドランド。ある街で保安官を務めるラオが、水不足に喘ぐ住民を救うべく「幻の泉」を求めて旅に出る。ラオは文武両道の凄腕である元軍人だが、一人では心許なく、人々に水を届けてくれたという魔物に同行を申し出る…。 鳥山明カラー全開の冒険ものでありながら、ベテランの老兵が主人公であるという点がどことなく洋画的。ドラゴンボールが世界中で人気なのが間接的に腑に落ちるような「アクション映画」のノリがあった。DBは完全にバトル物に

映画感想「マイ・エレメント」(Filmarksより)

興味があったので、遅ればせながら鑑賞。 ディズニー&ピクサーのファンタジー物。 火や水の精霊たちが暮らす世界で、火の精霊エンバーとその家族が雑貨屋を営んでいた。店主である父から後継者として期待されているエンバーだが、店の大切な日に決して相入れない水の精霊、ウェイドと出会う…。 一言でいうと、「THE・葛藤」である。 火と水の男女が惹かれ合う話…と思わせて、実は人生の選択を迫られるこれでもか、の葛藤物語だった。 エンバーは短気だが、真面目かつポジティブ、行動的でもある強い主