飲み物を別のグラスに移す時

「ワインでも、コーヒーでも、何か飲み物を誰かと分けるためとか、冷ますためとか、とっておくときとか、とにかく、カップから別のカップに移す時、ちょっとくらい溢れても後で拭けばいいや、なんていう気持ちで注がない?

それで、そんなことを考えながらやるもんだから、思ってた通り少し溢してしまって、机には海の生き物みたいな痕ができるよね。
ほとんど無意識に近い、思い出しもしないようなことだとは思うんだけど、俺は結構そういうの覚えてて、気になっちゃって、だから、今それについて書いているんだけど。

溢した後はちょっと僅かに面倒だと感じるか、何も感じないで自動で、無言で、机とグラスを拭いたりして。拭かないでそのままの人もいると思うし、それは人それぞれで良いと思う。

溢したワインの形はよく覚えてないけど、何となく海の生き物のような形をしてると俺は思ってる。
太ったタツノオトシゴか、昔、図鑑で見たサンゴみたい、珍しいイソギンチャクだとか、よく見ればクラゲに見えなくもないとか、その形が何の海の生き物かはそれも人それぞれで良いと思う。でも必ず海の生き物の形だったはず。俺はそう思ってる。

気兼ねしない相手とボトルで赤ワインとかを飲んでる時とかに、その魚介類の染みを見るもんだから、俺の中では、薄い葡萄色のイメージと親しみの気持ちで、今、この話をしてる。別にオレンジジュースでも、水でもなんでも注ぎ溢せばできるモノだから、何の飲み物でも同じことなんだけど。

何でこんな話をしてるかって言うと、目的は一つしかないんだけど、ちょっとお願いしづらいことなんだけど、ここは一つ確かめてみてほしくて、飲み物を別の器に注ぐとき、わざと少し溢してみてほしい、俺が言ってることがよくわかると思う。

それで、その溢し跡の形が魚介類みたいだったら俺の勝ち、違ったら君の勝ち、そういうルールでどう?始めてみない?」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?