【映画感想】哀愁と故郷
「 ニューシネマパラダイス 」観賞しました。
この映画を知るキッカケは、お笑いコンビ、ニッポンの社長さん。
彼らがYouTubeで配信しているコントプロジェクト、
その名も「 ニューコントパラダイス 」
事前告知でお披露目されたポスターは、きっと有名な作品のオマージュなのだろうなと思うものだったのですが、あの時はニッ社のコントが見れればよい!どんな仕掛けのあるコントなのだろう?楽しみ!くらいしか考えておりませんでした。
そんな中、アマプラで見つけました。原作。
既視感のあるビジュアル。これは、ニッ社のLive isのやつではないか?と。
そのような経緯で観てみることに。(以下ネタバレあります)
ストーリーを2行ほどで簡単に言うと、主人公である”トト”(推定40~50代)が、”ある人”の死の知らせをきっかけに故郷シチリアで過ごした日々を回想していくお話。
映画が唯一の娯楽だった時代、映画館には多くの人々が集まった。
少年のトトもその中の一人であった。いや、その中の誰よりも、映画への情熱が強かった。
映画への興味を抑えられないトトは、町の映画館で映画技師をやっているアルフレッドに会いに行き、映画の話をたくさんした。
その中で、トトは映写技師という仕事に憧れを持つ。
しかし、アルフレッドは、絶対にこの仕事はしない方が良い、と彼に言うのだった。
大変な仕事ではあるが、映画を見てる人が笑ってくれると自分のおかげと思えて、嬉しい。というアルフレッドは、確かにこの仕事に誇りを持っていた。
その一方で、彼はこの仕事に若い時代を捧げるたことにより、将来のほかの選択肢を持つことができなかったことにコンプレックスを持っていた。それは、彼が幼い頃に十分な教育を受けられなかったこともあげられるのだろう。実際にアルフレッドと彼と同じ年代の人たちが、トトと同じ場で小学生卒業試験を受ける描写が描かれている。
時代が進むにつれて、選択肢の幅が広がった。
より良い未来を夢見て故郷を飛び出す者を現れ始めた。
同じ場に留まることに対して強い懸念を示すアルフレッド。
彼の後悔からくるものだったのだろうか。とも思う。
この話は、タイトルにもしたように、「故郷と哀愁」で葛藤している人にめちゃくちゃに刺さる作品だと思いました。
実際に涙したシーンはその部分でした。
青年になったトトに対してアルフレッドが言った言葉、
「自分の好きなものを愛せ。お前が幼いころに映画を愛したように(意訳)。」
「哀愁(ノスタルジー)に惑わされるな。」
現状が上手くいかなくなると、楽しかった過去の思い出に浸って、あの頃のあの場所がまだ存在し続けているかのように錯覚をするが、そんなことは無くて。
いやはや、自分の現状と重なると、ひたすらに刺さってしまうものですね。心打たれました。この前、地元が今の土地どちらにいるにしても、なにかは犠牲にしなければならないもの。あなたはないものねだりだよ。と友達に言われたばかりでして。
変わらないでいてほしいもの。変わっていかなければならない自分。
葛藤はひたすら続くと思うけれど、それでも生き続けねばと勇気づけられたなぁ。
この作品のもう1つ強く心に刺さった点は、作者の映画への情熱。
主人公の映画に対する情熱がが、強く伝わってくる描写がたくさんあった。
アルフレッドとトトの会話の中には、映画でのセリフを引用した言葉が飛び交っていたり、とにかく作者の映画への情熱が伝わってくるシーンが多かった。
映画自体が映画館を舞台にしたものであるから、当たり前の描写なのだけれど、なにかを熱く語る作品って最高だね。
この作品を見るきっかけとなった、ニッポンの社長さんは芸人さんで、芸を磨き続けるお仕事。
自分の好きなものにひたすら情熱を燃やす彼らは、この作品のトトと重なる部分もあり、彼らがインスパイアされて然るべき作品なのだと納得。
こんな良い作品に出会わせてくれたニッ社に感謝!
また舞台見に行きます~!(^-^)
終わり。
#ニューシネマパラダイス
#ニューコントパラダイス
#ニッポンの社長
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