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すげえ頑張って用意した手作りチョコを「一個もらった」に数えられると幻滅する話

手料理は好きだがお菓子作りは無理だ。そんな人生を歩むこと早30年、毎年毎年思ってることの一つである。

何故もらった人も、もらえなかった人も、「○個もらった」「一個ももらえなかった」になるのだろうか。

必要なのは個数なのか?
そもそもその「一個」がどのような過程を経て自分の手元に届いているのか想像はついているのか?

お菓子作りガチ苦手芸人の自分としては、まずバレンタインが近付くと「どんなレシピを選ぶか」

から行動が開始される。

すでにこの時点で憂鬱である。
何故なら毎年できる技量に成長がなく、基本的には素人向けの簡単レシピしか選ぶことができないからである。日ごろやらないおかげで道具や材料のストックもなく、(趣味がお菓子作りの奴とかどんな生き様なんだよ全く…)とボヤきながら作れそうなものを嫌々探す。

でも、渡す相手にはものすごく喜んでほしいので、できる限りの全力で挑みたいとは思っている。なのでここではかなり時間をかけている。

かといって毎年似たようなものを用意するのも癪なので、できる範囲で被りのないラインナップを探す。チョコのレパートリーなんて言うても大してあるわけではないので、技量上げない限りこの条件はなかなか満たされない。これが「嫌々」な理由。めっちゃわがまま。

言ってしまえば「作りやすくて手の込んでいる愛情深いもの」をご用意しようとしているわけである。そりゃなかなかみつからない。

ようやく決まったと思いきや、いざスーパーなどへ行くと普段使い慣れてない小道具と材料の数々。ため息ばかりが出る。(こういう場に慣れててワクワクしながら作れる子が普通の女の子なんだよなあ…)と言う気持ちでぼんやりと棚を見つめる。思わず隣の棚の調味料コーナーであらゆるニューカマーを買い漁り、おつまみレシピを作りたくなる衝動に駆られるが、残念ながらこの日は年に一度のお菓子作りの日。歯を食いしばりながら買い物を済ませる。

ちなみにラッピング用品コーナーも同じく苦手。いやだって、相手に(こいつ普段あんな態度なのに、こういうときだけやたら可愛らしいラッピング選んでくるんだな…)とか思われたら恥ずかしくて死ねる。だから大体茶封筒と似たクラフトペーパー素材の素っ気ない見た目のものを選んでしまいがち。可愛らしいのをサッと買えない自分にもまたため息。可愛らしいラッピング買っても照れない子に生まれ直したかった!!

這々の体で帰宅するも、またしても憂鬱な気分になりながらお菓子作りがはじまる。

次の難所は「計量」
そして材料を混ぜる順番、温度管理のあれこれ。
料理がつくれてもお菓子作れない人の最大の特徴は、ここらへんのいい加減さのせいなんじゃないかと思っている。料理は慣れてれば目分量でも美味しくできるからね。お菓子はそうもいかない。予熱や予冷、常温に戻しておくなど、なかなか日ごろやらない作業。焼いたりするならかなり時間もかかる。なんでオーブン調理ってあんなに時間が必要なんだろうか。ちゃんとできあがるまで不安で仕方がない。待てない性格が災いする。

ようやく作り終わる。
地獄のラッピングが待っている。いや普通は楽しいもんだろラッピングってやつは。
可愛らしく飾りたくても、照れる性格のせいでできない。可愛らしく飾れないと、(可愛くできなかった…)と落ち込む。ここまで長い道のりを頑張って来たけれど、渡す際には「こんなん余裕で作れましたけど?」的にサクッと渡したくなる性格の可愛くなさにやられてずっとそわそわしてしまう。がんばったね、って言われたいし思われたいのに、頑張ってますアピールはしたくない。ああ可愛くねえ…「そんな簡単なこと」もろくにできない自分に落ち込み、嫌いになる。そんくらい普通にやれよ自分!!

お菓子作った日ってアドレナリンが変にドバドバ出るから眠れなくなってしまうんだよね。大体ここまで少なくとも半日がかりである。

…って感じに休暇を使い、渡したお菓子が「一個もらった」にカウントされるのがマジで我慢ならない。
作るの得意な人も苦手な人も、等しく時間をかけて、なにを渡したら喜ぶか、自分のできる範囲のレシピはなにか、そういうの考えまくって当日を迎えているんですよ。本当によろしく頼みたい。

いや、じゃあ市販品のブランドチョコでも買えばいいよな?そうなんですよ。いくらでも、売っているのですけど。そういうのを選んでる人がいるのもわかるんですけど。

でもそしたら、美味しくお菓子作れる子に負けちゃうじゃないですか。嫌なんですよ、自分の渡したものが一番でないとわたしは嫌。性格可愛くなさすぎだな??

そういう面倒くさいやつからチョコレートもらうときは要注意ですね!
皆様はよきバレンタインをお過ごしください!!

2023/2/8
@daed_a_lus_
綾織 洛

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