中国の雑誌「读者」との出会い

初めて「读者」を知ったのは、2014年、愛知県岡崎市で新卒就職した時に、中国語に触れる機会をキープしたいと、図書館で中国語の雑誌を探してきたことだった。2冊借りて読んでいたところ、コーヒーをこぼしてしまい、結果それを買い取ることになり、家の本棚に置かれることとなった。思えばこれが「读者」との出会いである。それから7年たった今、生の中国語の文章、言い回し、そこから読み取れる中国人のものの考え方、そういったものを学ぶために一日5ページという日課を自分に課して読み始めること約2か月である。

「读者」は月2回発行される中国の雑誌である。内容は多岐にわたり、現代社会の話題や人間関係、歴史、芸術などあらゆるジャンルの文章を各業界から集めてきて掲載している。中国人によって書かれた文章のほか、欧米や日本の著作を中国語に翻訳したものも掲載されている。主な読者層は中国の中高生で、多くの中国人が学生時代に読んだことがあると答える雑誌である。1冊が72ページと充実した内容であるにもかかわらず価格は9元と非常に安価である。ただこの本を購入しようと思うと、日本ではごく一部の外国語文献が豊富な書店や中国の物産店を除き、入手が困難である。最新号はなおさら手に入りにくい。私が過去に入手したのは岡崎市立図書館で買い取ったものと、池袋の中国専門の書店で買ったもの、それから中国の友人に送ってもらったものだけである。

それでも「读者」にこだわるには理由がある。語学の学習において、本場の文章を読むことは一定レベルに達した者にとっては必然の取り組みである。検定の合格を目指すときに用いるような、テキストを使った勉強法は触れられる内容に限りがあり、飽きがくる。成語やよく使われる言い回しが実際にどのように文章の中で使われているのか、実際の文章を読めば体感することができる。また雑誌は小説や他の書籍と比べて一つの文章が極端に長くはなく、ある程度の時間で読み切ることができるため、興味を保つことができる。中には古語が多く比較的難しい文章もあるが、なんとか読み切れる長さである。そして、掲載されているジャンルが多岐に渡っていることにより、偏りなく文章に触れることができる。

この雑誌の読み方にはルールがある。読み方や意味が分からない単語や言い回しに出会ったら、必ず立ち止まって調べる。これは時間がかかり労力がかかるが、語彙習得のために必要な作業である。また興味を持った言い回しやその文章から読み取った意図なども直接書き込んでいる。これは購入したからこそできることである。これを毎日決めたページ数読むことにより、質的にも量的にも理想的な学習ができると考えている。

ある程度読み進めてきたら、学習したことをアウトプットしたい、発信したいという気持ちになってくる。これは必然的なことである。語学学習においてインプットの次に来るのはアウトプットである。これが両輪になってはじめてコミュニケーションツールとしての言語が完成する。したがって、今後は面白みを感じた文章について、ここで記録していきたい。

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