NFT市場はババ抜きゲーム

 昨今NFT市場がバブルの様相を呈していますが、バブルはいつ破裂してもおかしくない状況なので、自分がゲームでババを掴まされないように、冷静で客観的に市場分析を行って行きましょう。
 ブロックチェーンデータ会社「Chainalysis」のデータによると、2021年のNFTの取引総額は409億ドル(約4兆7100億円)でした。
トップ9パーセントのビッグプレイヤーが、市場価値の80パーセント、すなわち36万人のNFT保有者が270万個のNFTを保有しているのです。
また、1万ドル(約120万円)以下の小口取引が市場の75パーセント以上のNFTを保有している状況になっているのです。
 さらに、アート・バーゼルとUBSが昨年発表したレポートによれば、2020年の美術市場の規模は641億ドル(約5兆4720万円)だったと推定されており、クリスティーズとサザビーズだけでも、昨年のNFTに関する取引額がそれぞれ約1億5000万ドル(約172億円)と1億ドル(約115億円)を記録しているので、NFTの市場規模が伝統的な市場の規模に近づけていることがわかります。
 一方で、投資銀行のジェフリーズ(Jefferies)はアナリストノートでNFTの市場規模予測を2022年に350億ドル(約4兆円)以上、2025年に800億ドル(約9兆1000億円)以上に引き上げました。
 大企業やセレブ達は「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」や「ディセントラランド(Decentraland)」の仮想土地を購入し、デジタルマーケティングや認知度向上、ブランドの展開に力を入れていると同行は指摘しました。
 私も子どもの頃から記念硬貨、古銭、記念切手、トレーディングカードやクリスマスプレートを収集して来ましたが、本当にプレミアムが付くモノは一握りで、その他の殆どが価値を生まず儲からないことを胆に命じて置かなければならないのです。
 言わば、何でも鑑定団で高値を付ける骨董品の未来デジタル版だと捉えて行くべきなのです。
 NFTを扱う際に一番気を付けなければならないことは、インターネット時代にMGAFAがディファクトとなって市場を牽引して来たように、ブロックチェーンの時代には、誰が市場を引っ張るリーダーとなりディファクトを取って行くのかを見極めることが大切になるのです。
 現時点では、市場はジェフリー・ムーア氏の『キャズム』理論で言うところの誕生フェーズのイノベーターにあり、サンドボックスやディセントラランドが今後ディファクトを取れるかどうかは未だ怪しいですし、メタ社が市場を牽引出来るかどうかも、かなり怪しい状況なのです。
 そんな状況に置いて、NFTに巨額の投資をするのはかなりのハイリスクハイリターンのゲームになりの危険を伴います。
 世界的に有名な日本のアニメキャラクターに限定したり、NFTそのものよりもそれらの仲介役のNFTマーケットプレイス側に投資する方が安全なのかも知れません。
 NFTが不動産やクリエイターの分野に導入されることで、これらの市場については朗報になります。24時間365日、何時でも何処でも取引が出来ることで、流動性や安全性が格段に向上し、市場価値が高まることが期待出来るからなのです。
 とにかく、バブルは何度も弾けながら、市場が拡大する過程にありますので、自分がババを引かないように、上手くゲームを展開して行かなければ危ない状況にあることは確かなのです。

 

 

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