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DVからの脱出

とても重い話になってしまうので、疲れている人は読まないでね。

私は約8年間、付き合っていた人からDVを受けていた。
彼は働かず、モラハラパワハラの毎日。
就職活動はしていたけれど、どの仕事も長続きしない。
そんな日々をなぜ耐えていたのか、今ではよくわからないし、わかろうとしなくてもいいのだけれど。とにかく共依存という沼に、お互いどっぷり嵌っていた。

大学在学中もバイトばかりしていた為、就職活動もせず、卒業後もバイト三昧。完全にアホである。でもその時は彼を就職させようと必死だったのだ。彼が就職して落ち着いたら、私も就活に専念できる。今は彼の番だ、支える時だって勝手に思っていた。
しかし一向に就職せず、上手くいかない腹いせなのか暴力や発言は激しくなるばかり。
あるタイミングで私が就職できる機会があり、就職後は金銭的にも時間的にも余裕が生まれた。会社には自立した男性ばかり。共依存の私でも、比べる対象ができた事でやっとおかしいことに気が付き始めた。

しかし。共依存の恐ろしいところは、気が付いてもなかなかその環境から抜け出せない所だと思う。タバコやお酒に依存して辞められない人と同じ。さらに言えば、依存相手もこちらと離れまいと必死になるため、この関係を解消するのは本当に大変なことだ。

離れたいと思いながらずるずると過ごしていく中で、転機が訪れた。
私たちの休日はたいてい映画やアニメを見て過ごしていて、「モノノ怪」というアニメの「のっぺらぼう」の回を見た。
あらすじは省略するが、その時の私と主人公の女性が重なって涙が止まらなかった。そのアニメから「私はかごの中から出られないと思っていたけれど、それは思い違いで、いつでも飛び出せるんだ」ということに気が付いた。

それから徐々に、彼と別れるための行動に移すことができた。私がいなかったら、この人はどうなってしまうんだろう?という気持ちはなくなった。大人なんだから一人でどうにかしてほしい。
とはいえ、「俺と別れたらお前の家族を殺す」と言われていたので、仕事終わりに交番に相談しに行った。
お巡りさんに訳を話すと、一瞬で表情が険しくなり、「被害届を出しましょう。」と言われた。「被害届」という言葉にびびり、「とりあえず今はいいです!」と言って帰宅した。
帰宅後、お巡りさんの表情や被害届の意味を考え、これはただ事ではないと改めて思った。

後日、もっと専門の窓口へ相談したほうがいいと思い、警察署の生活安全総務課へ相談しに行った。警察署は土日休みなので、彼には内緒で有休を取得し、何回か話を聞いてもらった。
担当の方はとても親身に相談に乗って下さり、彼から逃げる計画を一緒にたててくれた。
計画はこうである。

1、有休を取得し、警察で保護してもらう。
2、警察官が彼へ電話をかけて、警察署へ呼び出し。別室へ案内。
3、その間に私は家に帰り、必要最低限の荷物を持ち友人宅へ避難。
4、友人宅へ到着後、警察に連絡。
5、彼釈放。

この計画で無事に離れることができた。警察の皆さんには感謝してもしきれない。本当にありがとうございます。(私の地元の署にも連絡してくれて、警戒を強化してくれた!家族も無事です。)

彼と離れた後も、わたしは連絡先を変えることができず、うじうじしていた。共依存って怖い。もう連絡しないでくださいね、と警察官に言われたけれども、何回か連絡してしまった。

でも家族や友達や同僚の助けがあり、カウンセリングにも通い、やっと回復してきたと思う。彼と別れて4年近くたった今、やっと言葉にできた。

DVで苦しんでいる人に伝えたいのは、その状況から逃げることができるよってことです。今の環境を変えることは勇気がいることだと思います。色々な理由があって、すぐ動けないこともあると思います。でも、周りに頼れる機関や人がいるってことを忘れないでください。視野を広げてみてください。
自分のために時間を使ってください。
あなたは悪くないよ。
そして焦らずゆっくり回復していこう。

#DV
#被害者
#体験

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