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架空読書感想文: 『お前にピザポテトは似合わない』

「読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?」と自動メッセージが提案してくれました。読んだ本の感想を書き留めること、そしてそれについて誰かと語り合うことは大好きです。でも、読んだことのない本の感想を語ったことはありません。読んだことのない本、いやそもそも存在しない本の感想を語ってみたいと思います。

以下、存在しない本の感想です。

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今回紹介したい本のタイトルは、『お前にピザポテトは似合わない』。タイトルから内容が想像しにくい本は世の中にたくさんありますが、この小説もその一つだと思います。無駄に明るい蛍光灯で照らされた駅前の書店、平積みにされていた本作を手に取ったのも、タイトルに興味をそそられたからでした。

誰にでも、眠れないほど悔しい夜を過ごした経験はある。そう言い切ることは僕にはできません。だって、悔しい思いをしないで幸せいっぱいに人生を送る運命の人もいるはずだから。ただ少なくとも、この本の主人公・権田はそんな人には当てはまらない。午前3時。眠れない夜。悔しくて仕方ない、怒りをぶつける先もなく枕に顔を埋め叫ぶ権田の姿からこの小説は始まります。

「クソが!! クソが!!!」と喚きながら、自らの太ももを殴りつける権田。何が彼をここまで追い込んだのか。詳しくはぜひ実際に本を読んで確かめて欲しいのですが、「そんなちっぽけなこと?」と吹き出してしまいたくなるような出来事です。でも、彼にとってそれは「ちっぽけ」でも何でもない。友人グループからの歴然とした追放の表明、残酷なまでに率直な別れの宣告なのです。

生活する中で、「気にしすぎ」「考えすぎ」という言葉をかけてもらうことが多々あります。実際そうなんだろうと常々思います。でも、僕には「気にしない」ことができません。飲み会の帰り道、「あの発言大丈夫だったかな」と考え始めると夜も眠れなくなります。お酒が眠りを浅くしているせいかも知れないけれど。だから、権田の抱く苦しみは、新品のノートの端っこで指を切った時のようにじわりと、でも確かに僕の身をも痛めつけてきました。読み進める中で明かされる権田という等身大の男が抱えた大きすぎるトラウマ。それを知った時には、皆さんも「ちっぽけなんて言って悪かった…」と頭を抱えることでしょう。

悩み悩んだ末に権田が行き着く結末、そして、ここで、この場面で、しかもお前が言うんかい!!! と突っ込まざるを得ない最高の一言。

「お前にピザポテトは似合わない」。

奥歯をギリギリと噛み締めながら、でもページをめくる手が止まらない。そんな小説です。痛みを背負い、それでも前に進む権田の姿。ぜひ目に焼き付けていただきたいです。

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書いてたら、ピザポテトが食べたくなってきました。

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