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心の視力の低下


視力は比較的良い方だ。アラサーになった今でも裸眼で問題なく日常生活を送れている。

でも毎年の健康診断で、徐々にではあるが視力も落ちてきている。元々は両目とも1.0ずつ見えていた視力が、最近は0.8と0.9の間を行き来するくらいになった。

視力が1.0あった高校3年生の時。受験を控えて進路などで誰しも悩む時期だ。

具体的になんの話をしていたか、今は覚えていないが、塾の先生に相談をしていた時、こんな事を言われた。

「1番素直に物事が見れる時期だね」

先生がどのような意図でそう言ったのかは分からない。でも何故か印象に残った。だからいまだに覚えている。

そうか僕はこれから先、物事を素直に見れなくなっていくのか。

それ以降、心の目は18歳のままでいようと決めた。「永遠の17歳」と言っている声優さんやフリーランスのライターさんがいたりするけど、まさにそれだ。

いま思い返せば、確かにこの時は周りの人を素直に信頼していた。先の不安はあったけど、自分の可能性を信じてもいた。


それが今はどうだろう、周りの人と距離を感じる事が多くなったし、自分に出来る範囲の事ばかりやっている気がする。

視力が低下してくるのと同じようにジワジワと物事を素直に見られなくなっている。18歳の目が濁ってきている。

そんな事を書いていたらNakamuraEmiさんの「スケボーマン」という曲を思い出した。

30越えたら腹をくくれ
呪文のような呪いの言葉
大人の魔法にかかるまいと
トゲを出し続けたが
でもスケボーの音が響く
夢と現実を迷う
よく聞くこの状況は思ったより辛いものだ
これが大人になる事なのか。

視力はほとんどの人が加齢によって低下するものだ。物事を素直に見る視力も同じなのかもしれない。

これが大人になる事だとしても、僕はもう少しスケボーに乗ったり降りたり、迷っていたい。

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