「作者が透けて見えるってなんだ」2019年10月28日の日記
・毎日こんなようなものを食べて暮らしています。自分の体の何%かがオムライスで形成されてるんだなと思うと不思議だ。成人していまだにこういうこと不思議がっててもしょうがないか?でもなんか変なんだよな。カレーとかオムライスとか讃岐うどんとかを集めてこねて固めたら確定申告のこととか考える生物になるっておかしくないか?
・『現代思想』の11月号、反出生主義特集を発売日に買ったぞ。これが読みたかったんだよな。生まれてきてよかった(と言う、というギャグ)。
・反出生主義、おもに「自分は生まれてこなければよかった」という考えと「人は人を生むべきではない」という考えをひっくるめて語られることが多いんだけれど、この二つの考えはかなり違う(ということが重要)。
・ちょっと読んだけど、バカの意見で申し訳ないんだけど、なんでこう学術雑誌って難しいことがいっぱい書いてあるんだろう。ほんとにあの文体が内容をもっともよく伝えるためのそれなんだろうか。
・そういえば反出生界隈の一部では、「親」のことを皮肉と冗談と悪意を込めて「強産魔」と呼んでいるようだ。こういう人たちの大半は単純に人生が辛いのであって、必要なのは現代思想じゃなくてカウンセリングや友達やお金だと思うんだけど、でも「強産魔」という表現は面白いですね。表記は「強姦魔」が元だろうけど、意味的には「殺人鬼」などと対称の位置にある。殺人鬼は、死にたくもない人を勝手に殺すから悪いとされるわけだけど、強産魔は生まれたくもない人を勝手に産むから悪い、というわけ。
・でも、どうだろう。生まれる前は生まれてないわけですから「生まれたくない」ですらない「無」が正しいんじゃないのか。殺人は「意志に反して殺してくる」から明確に悪いんだけれど、出生は「意志も何もないところに、意志などもひっくるめた全てを出現させる」という創造を行っているから、単純な殺人の裏返しとして出生を責めるのは意外に難しい。「誰も産めなんて頼んでない!」ってのは確かにそうなんだけど、頼んでくるような主体がそもそもなかったんだから、普通の意味での取引の原理を出生に当てはめちゃっていいのかという問題がある。生殖は殺人と同じ罪だと考えるのは正しくなくて、やはり全く罪ではないか、あるいは殺人なんかを遥かに凌ぐものすごい罪なのかもしれない。
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