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「日本一のうろ覚え虎コレクターになった」2020年1月30日の日記


うろ覚えの虎展

・原宿のアートギャラリーを1日貸し切って「いろいろな人が描いた『うろ覚えの虎』の絵を展示する」という催しをやりました。なんでこんなことをしたのか? じつはメルカリの広告案件でして、そういうキャンペーンをやってたのですね。うろ覚えの虎の絵を出品してくれたら買いまっせ、という。正直意味がまったくわからないし、まあスベってもしょうがないな、と思っていた。

・それで蓋を開けてみたら、8000枚近い出品があった。おい。頭おかしくなるわ。何日かかけて全部に目を通した。もう本物の虎がどんなだったか全く思い出せない。下は0歳から上は80代の老人まで、日本全国老若男女の「うろ覚えタイガー」を流し込まれた私の脳髄はアッパラパーになってしまった。さすがにすべてを買うのは無理だから、厳選して数十万円ぶんに及ぶうろ覚えタイガーアートを購入。気に入ったものは「値上げ交渉」して300円→2万円くらいに値上げしてもらった。ここまで計画的に気を狂わされることある?

・しばらく、会社に毎日うろ覚えの虎の絵が届く日々が続いていた。いま日本で最もうろ覚えの虎を所有しているのは間違いなく私である。これをそのまま終わらせるのはもったいないということで、急遽、スペースを借りて個展を開催することにした。

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・常駐はできなかったが、100人近い人が来場してくれたらしい。のちほどレポート記事がオモコロに載ると思う。


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・買った作品からさらに厳選しただけあって、50点弱の虎はどれもかなりのお気に入りだ。一応、私が書いたキャプションも添えてあるが、それがなくても楽しめると思う。あとキャプション書きながら「これ、ほとんどナンシー関の記憶スケッチアカデミーだなあ」と、気づいてはいけないことに気づいた。

・来場してくれた人からの感想を見る限りかなり好評だったみたいで何より。こういう催しは定期的にやってもいいかもね。

・あと初めて気づいたことだが「絵を集めてみんなに自慢する」という行為、これめっっちゃくちゃ楽しい。前澤友作がアートをかき集める理由って完全にこれだと思う。「これ自分しか持ってない!」という悦楽、実は相当強いっぽくて、それがたとえ見ず知らずのおばあちゃんが描いた薄~い薄~い鉛筆書きの虎の絵だとしても、そこに価値を見出して値段をつけて買ったのは自分だという自負が満足感を与えてくれる。ふざけたような企画だけど実際の所かなりアートの本質に肉薄したアレだったりするんじゃないですかねこれ。よく知らないけどどうこれ? どうなの? 美大卒の人~~!!

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