【小説】男女の友情 1-1
「え? ああ、かけうどんだったの? やだ、声が小さいから聞き違えちゃった。ごめんなさいね、じゃあこれ、サービスだから」
勘解由 愛[かげゆ あい]は小さな溜息をついた。目の前の盆には「かき揚げうどん」が乗っていて、ほかほかと湯気を立ち上らせている。
また水が濁る。
愛の頭の中にはいつも仮想的な壺があって、中で仮想的な金魚が4匹泳いでいる。壺を満たす水が徐々に濁っていくのを感じた。
また水が濁る。
また仮想の金魚が弱っていく。
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