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「実在性と同時存在性」2021年2月15日の日記

・BRUTUS(ブルータス)の3月号、1冊まるまるアイドルマスター特集にて取材を受けて少しページを割いて頂いています。『アイドルマスターシャイニーカラーズ』のどのへんを面白いと思ってるかについて私見を述べてます。

・あくまでいちプレイヤーの意見にすぎないという前提はあるとはいえ、こういう公式の雑誌でしゃべるのは初めてのことで、終始緊張しっぱなしだった。へんな印象つけたくないし……。でもなるべく誠実に考えていることを話したつもりです。

・そんなことよりこの『アイドルマスター』特集、力の入り方が半端ない。一読者として「読みたかったやつー」と興奮しながら読んだ。献本が待ちきれなくて電子版を買ってしまった。


・なにが特にいいかといえば、やっぱり「アイドルインタビュー」だ。投票によって選ばれた5人のアイドル「本人」がインタビュー取材を受けているページがある。声優ではなく「本人」だ。グラビアイラストもあって、実在するブランドを身に着けたアイドルが東京の町に立っている。

・こういうのが見たいんだよなぁ~~~~~~~~~~!!! くぅ~~~~~~~(架空のドイツビールを一気に飲み干す)

・そもそも雑誌の表紙からもうかなり良い。5人がただ白背景に立っているだけのように見えるが、よく見ると影の形が背後で湾曲していることから、白いホリゾント幕の前で撮っていることがわかる。つまり「キャラクターのイラスト5コ」ではないのだ。「5人のタレントが撮影スタジオの前で集合して撮った写真」なのである。この微妙な差が生む奥行きは計り知れない。

・表紙の時点で期待していた「実在性と同時存在性」だが、本誌のインタビューを読んでそれがさらに補強された。まさに表紙の撮影のことが語られているし、5人が相互に相手の印象を話すくだりなんかもあり「うわ~~、業界だ」と思ってしまった。

・『アイドルマスター』は、プロデューサーとしてアイドルと関わるゲームなので、裏方として彼女ら彼らの活動を見守る構図が多い。そのため、実際のところ彼女ら彼らが「アイドルとして」どのようにふだん活動しているのかは割と未知数だったりする。ただの消費者視点から純粋に見たアイドルたちの姿は、実はほとんど描かれていないのだ。

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・その数少ない機会の一つが今回のBRUTUSにおける特集だった。なるほど、ふだんこういうことをインタビューで答えてるんだ!! という発見が短いページに高密度で詰まっている。プロデューサーになるのも良いが、モブキャラ気分でスターの活動を追うのは楽しい。特に「シャイニーカラーズ」代表に選ばれた三峰結華のインタビューが良かったな。画像は今日発売の関係ない雑誌『パーゴルフ』を持ってる三峰結華です。あと男子アイドルの天ヶ瀬冬馬のインタビューもよかった。「大盛りのごはんいっぱい食べな……よそうから……」って思った。男子高校生だった。

・なんかもう、本編と関係ない広告のページの存在すらちょっとうれしいからな。グッチとかドルガバの広告と並列して存在していることがうれしい。

・他のコーナーも面白いものが多い。アイマスをほとんど知らない人に楽曲についてレビューしてもらう企画も楽しかった。私は何かが良いか悪いかよりも「それがどのようであるのか」を掘り崩していくのが好きなんだけれど、BRUTUSの今回の特集は決して好奇の目ではない位置からその掘り崩しをやってくれていると思う。

・個人的には、アイマスとまったく関係ない特集記事に前触れもなくフッとアイマスのアイドルが出てきて日本酒のレビューとかしてる、みたいなことがあったら面白いなと思っている。Vtuber的なことかもしれないけど、あれは声を演じる人と人格がイコールみたいな暗黙の了解が生成されつつあるから、ちょっと方向が違うんだよな。存在と非存在はもっと曖昧でよい。

・以下、疲れたのでみじかい日記。

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