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ウロマガ抜粋ノート【2018年6月】

月額マガジンで毎日更新している日記から抜粋したものです。

2018年6月9日の日記

今日、通話しながら歩いている女の人が「……いまリビング空っぽだから、テレビ置いても寂しいでしょう? だから…」と言ってるのが聞こえて、それも奥行き感じた。リビングが空っぽ。引っ越したて? 引っ越し前?

2018年6月10日の日記

私の視力は右が0.1、左が0.08程度だ。測ったのはだいぶ前なので今はもっと下がっているかもしれない。金魚の視力は0.08だとつい最近知った。「目が悪くても、眼鏡さえあればなんとかなるっしょ」と思っていたが「金魚並みの視力」と言われるとけっこうズシリとくるものがある。
ちなみに、金魚の視界は真後ろ以外はほぼ全方向が見え、さらに紫外線や赤外線といった波長のことなるビジョンも知覚できるという。カメラを向けただけで金魚が逃げることがあるのは、カメラが発する赤外線を感知しているかららしい。
自分はといえば、目の前のテーブルにある爪切りにいつまでも気づかなかったりするので、視野は45°くらいしかない気がする。もちろん紫外線も赤外線も見えない。「金魚並み」どころか「金魚以下」だ。万物の霊長とかいばっておきながら、視覚は小魚に劣る。幸いなことに知能は金魚以上なので、そっちでカバーしていきたい。

2018年6月13日の日記

透明なコーラ飲んで思ったけど、色がなくなることで逆に「砂糖水飲まされてる感」が増して爽やか感が損なわれることあるな。

2018年6月14日の日記

夕方に若干体調を崩した。オモコロライターのかまどさんも言ってたけど、トークイベントとかの、テンションを張っていく日の翌日はしばらく気分が落ち込むという経験則がある。マンガもボツになったしな。シンキングタイムで空虚な思いにふけったしな。サインとかしちゃったりしてちやほやされた日の翌日は特に気分が下がる。そういう波がある。

これを「サイン波」と言う。

2018年6月16日の日記

なか卯に行ったら、券売機のアナウンスが「選択が終われば、お金を入れてください」と言っていた。以前からこの言い方がすごく気になっている。「選択が終わったら、お金を入れてください」がふつうではないだろうか。明確にヘンと言い切れるわけではないが、なにかモヤモヤが引っかかる。

2018年6月21日の日記

人体が巨大な構造物であることは明らかだ。それが一個の人格を持って生きているというのはやはり何度驚いても驚き足りない事実だな。視力というのは実は人間にとってかなり大切な機能かもしれない。いやもちろん視力は重要なんだけど、哲学的にもそういえるかもという話だ。電子顕微鏡レベルの視力がはじめから備わっている知的生物がいたとしたら「個」の認識方法がわれわれとはだいぶ異なるのではないか。つまり、人間はたまたま目が悪くて、粒子や原子で構成された建造物を「一個」としか数えられない程度に大雑把なんだけども、それこそが人間の人間らしさを成り立たせるひとつの重要な条件なのではないか。

2018年6月22日の日記

「ある男が五感を生まれつき持たず産み落とされ、家族の愛情を注がれ70年生きて没した。しかし彼は、自分が生きていることに最後まで気づかなかったという」

2018年6月23日の日記

午後2時。順番が目前となり再び「さわやか」へ。さらに行列は増えている。来店した人に店員が「4時間待ちになりますがいいですか」と言い、客が「えっ、4時間……」と言う流れを4回くらい目撃。言い方がみんな同じで、顔が絶望していた。死とかを1000倍に希釈したような顔。プチ絶望。人はハンバーグを4時間待たされると聞くと薄く絶望するのだ。

2018年6月26日の日記

忘れ物が多い。退社するときもよく忘れ物をする。一番多いのが定期券で、だいたい駅で気づいて引き返す。会社と駅の間がだいたい徒歩10分くらいなので往復20分のロスだ。この前は特にひどくて、雨が降っているのが分かっているのに傘を持たずにエレベーターを下りてしまい、雨を目前にして雨じゃんって思ってエレベーター乗って会社に戻り傘を取り、傘をさして駅まで歩いて定期無いじゃんと気づき、会社まで歩いてエレベーター乗って定期取ってエレベーター下りて傘さして駅まで歩きながらリュック置いてきたことに気づいた。

2018年6月27日の日記

人はあるときから、自分が何かを目指して歩く冒険者なのか、それとも何かから逃げて歩く腰抜けなのか見極める必要がある。私は間違いなく腰抜けだが、逆に言えば背後に野犬がうろついていればいくらでも前に進むことができるのだ。そんな人生はストレスフルかもしれないが、身動きできず野垂れ死ぬよりはマシだろう。飢えた野犬の役割を買って出てくれ、私を追い込んでくれている読者の皆様方には感謝しかない。私はこうすることでしか前進できないのだから……。

2018年6月28日の日記

バーミヤンが好きである。週に一度は行っている気がする。最近気づいたのだが、バーミヤンのロゴの桃は、右側の葉っぱが青い。全く見落としていた。何度もこの巨大なロゴの下をくぐっていたというのに。



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