「島の輩」2020年11月23日の日記
・岡田悠さんが書き、私も出ている記事が出ております。「読んでない本について語る」という罰当たりでスノッブな座談会の第2弾だ。
・「蔵書とは薬箱」のくだり、自分で言ったのに「何言ってるんだコイツ」と笑ってしまった。理屈と膏薬はどこにでもつくとはこのこと。でも私は歯磨き粉をよくブラシから落とすので、理屈をくっつけるほうが歯磨きより得意かも。
・カットされているけど、「読まなくてもいい本」の流れで『独学大全』という本の話題を出した。これは買ってすらいないのでテーマとはズレているからなんだけど。
・これ。独学のしかたを体系的に紹介した啓蒙書なのだが、書店で見かけて驚いた。めちゃんこ分厚いのだ。ちょっとした辞典並みで、持つとズシンとくる。なるほどなと思った。完全に戦略的にこういう装丁にしている。おそらくは、このページ数も含めて本そのものの「演出」にちがいないと思った。
・こういう本を欲している人は「なんとなく自分はインプット不足なんじゃないか」という不安を抱えている人なのだ。そして、本を買うということは常にそれ自体で目的を一部果たしている。厚み8ミリの「独学大全」だったら、独学した気がしない。この厚み。この重みだからこそ「やるぞ!」と思えるし、たいていの人は「やるぞ!」と思ったら7割くらいは「やったぞ」という安心した気持ちになり、本をそっと本棚にしまう。それでもこの厚さがあれば心強い。なぜか不安な夜。ふと本棚に目をやると分厚い「独学大全」が鎮座している。「俺はやるぞ」という声が聴こえてくるようではないか。
・皮肉とかでなく素晴らしい企画だと思います。実際売れているみたいだし。こういう、のび太のパパや波平さんが急に買ってきそうな本。いつか書いてみたい(そうか?)。
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