見出し画像

自由連想法による文章練習【2】

 ぼくは今日、窓をみた 窓はきたなかった 床もきたなかった だからぼくは掃除機をかけた それからぼくはトイレにいった ぼくはトイレでいろいろ考えごとをした ぼくは今、腹がへっている 夕食はガパオライスだった なかなか眠れない もう二時だ いや、まだ一時半すぎだ 明日、ぼくはまた昼寝をしてしまうだろう いや、しないかもしれない できれば昼寝をしないでいたい ぼくは島根県の浜田市で産まれた ぼくは島根県の松江市か浜田市から、祖母のいる三隅町までいく電車の中で、妹と1から1000までを数えた 島根にいく100日前には、その100日を毎日数えた 確か、100日数え終える前に、島根にいく日になった 100日はそう長くは感じなかったが、自由席の、座席が横になったところで、妹と一緒に寝そべりながら数えた1000までは、とてつもなく長く感じた しかも、1000まで数えても、まだ三隅町の駅に着かなかった 車窓からの景色は、山肌の雑草かトンネルが多かった 着いたのは夜だった そのときは父も一緒だった 父は吉野家の婿だった しかし父は吉野家を捨てて、母とぼくを連れて青森へいった 祖母は母に、父と離婚しろといったが、母は父についていった 父は真緑の車で、島根から青森まで数日かけていった 雪をみて母は泣いた 父は毎日釣りばかりしていた 残金は1万円しかなかった 父の名前は重三郎(じゅうざぶろう) 旧姓は天坂(てんさか) だから父は、天坂重三郎(てんさかじゅうざぶろう)という名前だった なんど聞いても、「ジュウザブロウ」が上手く発音できなかったぼくは、「ジュウロウ」と、短縮して覚えることにした それは五歳くらいまで続いた ぼくは家のまえの海でよく遊んだ ある日、海底に転がっていたホタテの貝殻で、公平が足を怪我した ある日、谷本が合浦公園の池におちて、柵のところにミゾオチを激しく打った 谷本は今、女装が趣味らしい 谷本は大阪人だった 中一のとき、谷本に会いに大阪へいったぼくは、谷本の祖父母の家で一泊した 谷本のツィッターを発見 よくわからない 実家で見つけた、ぼくが小学一年のときに書いていた日記帳をひらく 「6がつふつか ぼくは、きょう、きんにくまんを、かいています。おわり。」 さらに別のページを読む 「6月24日 ぼくは、きょう、おたんじょうびを、しました。そして、きんけしも、かいました。そして、けーきも、たべました。そして、きんけしでも、あそびました。そして、きんけしの、きちも、つくりました。そして、おすしもかいました。そして、また、はいざらが、あたりました。」 ぼくは立ち上がって、水を飲もうとしたその前に、シンクの中にある米粒などの食べカスを、コップにいれた水で排水溝のほうへ流し込んだ 二回そうしたが、食べカスのぜんぶを流しきることができず、ぼくはあきらめて水を飲んだ 首がいたい 一時間だけ寝ようか迷う 炬燵から足をだしたら、一気に眠気がさめた 「エコー」はやっぱり不味いが、もうだいぶ慣れた 時々、妻のマルボロを吸わせてもらうと、マジで美味いなと思う 4月から「エコー」は310円になる 求人サイトを開き、2秒で閉じる 「今お金送ったから」と、母からメールが届く で、金額は1万なのか?2万なのか?気になった どうか2万でありますように…と、神様にお祈りをする 父はまだ死んでいない 頼むから今月中に死んでくれ…と、これも神様にお願いする 父は、真緑の車の次に、まっ白の車に乗っていた ぼくはその車で父とジャスコにいって、ウォーズマンのキンケシを買ってもらった そのとき、母と妹は一緒にいなくて、ぼくは父と二人きりだった 高校を辞めるとかガチャガチャ揉めたとき、母は泣いたが、父は好きにしろといった 結局、辞めないと決めた翌日も、ぼくは父の車で父と二人きりでいた 父は、母のいないところでぼくと話したくてそうしたのだが、父が車を停めた真正面に、ぼくが中一のときに野グソをした側溝があって、こんな深刻な話のタイミングで、なぜこういうことになってしまうんだろうと、不思議で仕方なかったというか…とにかく、そのせいですっかり白けてしまって、そのときに父と何を話したのか、ぼくはまったく憶えていない ぼくが野グソをした側溝の裏には、雑貨屋なのか、駄菓子屋なのか、ゲームセンターなのか、何だかよくわからない小汚い店があった でもそこはタバコを吸っても何もいわれなかったから、みんなの溜まり場になっていた ある日、善之が顔に包帯をまいてきて、誰にやられたんだ!?と、みんなで大騒ぎしたが、相手が神谷だとわかった瞬間、だったらしょうがないね…とみんな黙った 善之はその後、顔面の右半分が麻痺して、笑っても、右半分だけが真顔…という異常な顔の状態が、二週間くらい続いた それはしかし、神谷の打撃によるものではなく、精神的なものだろうと医者にいわれたようで、殴られた傷跡は、確かに顔の左側に集中していた 善之はその二週間のあいだ、誰かと話したり笑ったりするときは、必ず右手で顔の右半分を隠していたが、どうしても見せてほしいと頼むと、「しょうがねえなあ…」と、きもち得意げに見せてくれた――と、今さらながら、こんな文章だけど、なんとか頑張って読んでほしいと思う というか、今のところぼくはこんな文章しか書けない これが今のぼくの限界だ というか、今のところぼくは段落を設けたくない 段落を設けたら、ぼくの文章はたぶん破綻する すでにお気づきだろうが、「。」をやめることにした この書き方だと、読みづらくて鬱陶しいからだ そのうち「、」も消してしまうかもしれない そしてこれからぼくが何を書くのかは ぼく自身にもわからない 父や善之の話を繰り返すのか あるいはまったく違う話をするのかは ぼく自身の心ではなく ぼくの体調と そのときの状況が決めることだからだ できればもう少し 静かな話をしたいと思う 静かに話したいと思う でもそれがなかなかできない 寒くて外の景色をみる時間が極端に少ないせいもあるかもしれない いや ぼくはまだ人間性が青臭い こうして書いていてそのことがよくわかった でもそのこと自体には 何の問題も実はない とにかく もっともっとどうでもいいことを書きたいというか たとえば…とか考えようものなら そのたとえはますますわからなくなる ぼくは今 眉間に皺をつくって何かを考えようとしている でも考えてしまってはダメだと 自分に言い聞かせている だからぼくはこのまま書き続けようと思う ぼくの書く手がとまってしまうのは ラジオ体操をちゃんとしていないとか 青汁をちゃんと飲んでいないとか たぶんそんな理由だと思う もしくはタバコの吸いすぎか… そして残念ながら ぼくは眠くなってしまった いや そう書いたらまた少し目がさめた とりあえず タバコを吸おうと思う 飯の仕込みもしてしまって そしてまたパソコンの前に戻ってこようと思う ぼくのパソコンはビスタで 最近になってユーチューブの動画がみれなくなってしまった だからぼくは たとえば「銀牙」の歌とかを 頭のなかで流している 「銀牙」は 犬の集団が熊と戦う話である ぼくは毎朝テレビで「銀牙」をみていた 再放送のやつで 確か 朝6時から放送されていた ぼくは今でも毎朝6時15分には必ず起きる 妻の仕事の準備に合わせて 風呂をいれたり 朝飯を用意したりするからだ といっても 妻はお茶漬け程度のものしか朝はたべない そのかわり お茶漬けなら「永谷園」でないとダメ 牛乳も 低脂肪とか成分を調整しているものはダメ 湯豆腐には鱈(タラ)と春菊を入れてとか おでんにソーセージは邪道だとか 刺身のときに玄米を炊くなとか サラダは青じそドレッシングが基本で ナンプラーはどこどこのじゃなきゃダメとか けっこう細かく色々あって 当然ぼくはそれらをときどき忘れてしまうことがある そして今日はマグロの刺身なのに うっかり玄米を炊いてしまった もう間にあわない すでに炊飯器はプシュプシュ鳴っている テレビ欄をチェックするが 妻が見たそうな番組はなかった 妻は二時間もののサスペンスが好きだが ぼくはそんなでもない でもぼくも一緒にみる 一緒にみなくても文句をいわれるわけではないが いちおう一緒にみるようにしている 
 

▼全文はこちら▼


▼全集マガジン購入者は、こちらから全文無料で読めます▼

ここから先は

27,859字
返品はできません。購入後はノークレームでお願いします。

種々雑多 な過去記事です。毒々しいテキストも多いため、良い子が気軽に購入できない金額(50,000円)に設定しています。一部もしくはタイミ…

サポート金は5,000円以上でお願いします。