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自由連想法による文章練習【17】

 傘の手持ちの先っぽを口にくわえたおかげで空いた両手でズボンを上げ直しているふうの女児をみて思い出した仙台の仲良し女児2人の顔はわりとどっちも鮮明で 12時5分前をすぎても母から連絡はこなかった そう 小雨とはいえ止みそうにない雨への苛立ちがます一方のどんより空を見上げながらぼくはまあまあの小便を我慢していたが けっきょく母はこず 信子もおらず いろいろコンニャクも買いわすれ そのくせサンマの生姜煮をぜんぶ食べてしまって振り向いた先にエマがいた ぼくはそしてエマにぼくのことをまだ好きか?と冗談半分できいたら「もちろん」といってきたエマに自分からきいたくせに苦笑いになった もうすぐみんなは一年生の歌はあいかわらずずっと流れていて 夜といえば新宿の歌舞伎町より古川の村さ来のほうが断然うえな理由の1番か2番の一太の「わや懐かしー」の下のネオンは実際歌舞伎町と比べてもそこまで大差はなく 上京直前のぼくはいわゆる漠然とした力に満ち溢れていた ぼくの東京のはじまりともいえる目白の鬼子母神社に出現した赤いテント小屋のなかでみた夢の断片のうちのガラスの子宮の歌がぼくは今でもけっこう好きで ちゃんと探せばたぶんそのCDはあると思う いや もしかしたらやっぱりないかもしれないというか そのCDを探すつもりがそもそもぼくにはなく 顔に触れた左手がやけに冷たくてビックリした 体重はたぶん69キロ台で アベジュンの部屋は確か201だったと思ったが一応やめることにした だいたい青森の人間にりんごジュースをもっていくなんてなどのゴチャゴチャの先に唯一はっきりみえたのは聖徳太子さんくらいで 目標の無限人格を意識した途端もう少しマジメにやろうと思った ただ勧誘のメインはユーチューブかつ事前準備なしの1発勝負にかわりはなく 時間は10分区切りがベストで 空ジローのぬいぐるみは4千円ではなく2千円だった というか仮に山の麓で猟師や畑仕事をするにしても 車が必要なことの不条理を解決するには足を鍛えることしかもはや思い浮かばず せっかくモコたちが拾ってくれたタンポポをソッコーで投げ捨ててから「肉食いてぇ!」とほざき歩いていたNの様子と顔での思い出し笑いはまだしばらく楽しめそうだった そして結局ぼくはベーコンをまた借りた 保坂さんのも2冊借り 小島信夫はかさばるからの理由でとりあえずやめ ポストにすべり落とし返すときに伸びてきた手の正体が太い中年男だったことの微妙をそこそこ引きずってから ようやく出てきた日差しにかざした右手が少し燃えた 必須の買い物はたまごとティッシュときび砂糖以外にもいろいろあったが そのいろいろのほうをぼくはぜんぶ無視した やがて相変わらずベーコンはいかれておりながら眠くなったぼくは立ち上がってすぐ動画のシュミレーションをしたところ 新しく出てきたワードは「金取引をしない便利屋」だった そしてその売りの1番である「何もなければ何もいらない」ですませることの突き当りをいろいろ考えているうちにきた母からの電話の内容はいつもより希望に乏しく N夫婦との対談は上々だったが 床屋のおばちゃんには相変わらず少しムカついた しかしこのムカつきをとりあえず心の鍛錬としてやってといっても今日明日中は少なくとも行ってやらないことにし 妻の食と物欲について思案した内容に基づいて送ったNへのメールを何度か見直した 忙しいのか気づいていないにしろもう一度のメールはなんとなく躊躇われ しかし子供たちと遊びたい気持ちのマックスがメールをさせたものの上手くいかず そのかわりNの家にエビナブタヒロを呼ぶことを思いついた というのも一太はやっぱり危険かもしれず ギンコウゴウトウの店にまた来週の朝いってみることにしたのはデカタケに会ったからで きつねのぬいぐるみはたぶんもうないかもしれないと思いながら 赤いきつねに入れたお湯はちゃんと沸騰するまえのぬるま湯になってしまった だからわざわざ起きあがらせてしまった妻が赤いきつねを鍋で煮込み なかなか深刻そうな妻の腹痛にムカつきながらも我慢したもちろんのこのこととディズニーランドでぼくは銀河だったか土星のパズルをみた いや そのまえのスペースマウンテンによる筋肉痛はすぐに現れた挙句かなりしばらく続き 床屋のおばちゃんの家にはやっぱりもう行きたくないと思った というか床屋のおばちゃんの家にぼくはたぶんもう行かないだろう なぜなら「3コール以上鳴らした」とウソをついてきたのをほぼ決定打にぼくはし そのまま介護センターにいって予想どおりの無駄骨を噛みしめながらの夕日をまたいつか思い出す気がした そのうえでどうしても打開策が見つからないというなら そもそも打開しなくてすむ考え方の新しいを探せばよく N夫妻にいってしまった案についても実際やってみてから何度でも修正しようと思い直した そう Mをおもうあまりぼくはやや無理なことを約束してしまったようで 午前中にヨッケがいたのはかなり奇跡なことらしかった ぼくはそして当然のようにヨッケをボコボコにした すると急遽来週ヨッケの家に飲みにいくことになり シンちゃんから返信がこないことをぼくは少し気にした ベタとの会合で決まった廃車計画はネットで調べたりとかしているうちに現実味が増し 同時に現実味を増した父の死はたぶん本当にもうすぐな気がした モコちゃんからの連絡は今日もきそうになく だったらコタツから出そうのまえにサヤの好物だというチェダーチーズをぜんぶ食べてしまい そういえばおじちゃんエイゾウにもらったタケノコの土佐煮をベタがなかなかの勢いで食っていたのを思い出しながら長いスカリをした ベタは重を入院させたくはなく だったら今シーズン中に死んでもらわなければ困ると一緒に思い出した上京に先立ち重にもらった10万円は重がいったとおりあっという間になくなった ぼくは東京に永住するつもりだったが 青森の居心地のほうがだんだん良くなってきて ネットさえあればどこに住もうと変わらないはずもないことをあまり深く考えるのをやめた 廃車についてはどうやら本当に無料でできそうなことがわかり それどころか5千円分ものクオカードがもらえる方法のための引き算を途中でやめたぼくは モコちゃんに押し倒されるや仰向けにひっくり返って「ぼくも!ぼくも!」と泣きわめいた というのもなにもなぜもぼくはペーパードライバーで 福原のつむじはぜんぶで3個もあった 一方のぼくの首の垢を顕微鏡でみてみたところ 虫のような青黒い生き物がうごめいており 岩木山の輪郭を眺めながらぼくは父に抱かれた写真のなかにいた 隣りには妹もいて 黄色いシャツを着ていたぼくはたぶん西日がまぶしそうで 砂場になっていたそこは冬には1階部分が埋もれるくらいの雪がつもった しかしぼくはかまわずシティコネクションをやり続け ヒデ兄の屁はそれほど臭くもなく ぼくが一緒に外に出なかったのを父がよしとしたことをぼくは少し意外に思った というか父の人生いい加減に終わってほしいとこれまでに何百回思ったかほんとうに数え切れず やっぱり寒くてコタツにはいってまったりしはじめた途端ヨッケから連絡がきそうな気がしたほぼ通りヨッケと電話ではなし いつのまにか顎の調子がまあまあになった いや やっぱりそうでもなく軽く死を意識し 布団は妻のぶんだけ敷いた 酒は失敗した麦焼酎を一応もっていくことにし たぶんシンちゃんも酒を買ってきてくれそうで ヨッケ邸にはなんと鳥飼があった そしてその鳥飼の匂いが歯ブラシにも伝染していたまえにぼくは酔いつぶれて 深夜の本町をシンヤと走った いや シンヤは自転車で とにかくその際の「イワヤマサノリ!」の発音はまあまあ上手くいったというか それに合わせる体の形がいまいち定まらず センダイメイバンでのおじちゃんエイゾウとのラーメン劇場を控えておじちゃんエイゾウはなかなか来なかった といっても約束は11時で ようやく11時になるまでにココアキャンディをかじり食ってしまったのはたった1回で どうにもボトッと落ちやすいカムテクトの弱点と顎関節症のことを考えながら 「もうあと1年くらい来なくていいんじゃない?」とおじちゃんエイゾウにいってやったことをいったらみんないっせいに大笑いした 

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