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#クラウドサイン がもうすぐ3周年。この6ヶ月で行った施策をまとめました。

クラウドサイン はネットワーク・エフェクト(ユーザーが増加するほど、ネットワークの価値が高まり、ユーザーにとっての便益が増すこと)により、事業上利益を得ていると、よく評価されます。

だからこそ、SaaSにも関わらず、指数関数的な伸びをしていると。

実際伸びていますし、ネットワーク・エフェクトのポジティブ面を吸収できるようにフリーミアムモデルを採用するなど、明らかに戦略に織り込んでいます。

しかしながら、事業運営側からすると、ネットワーク・エフェクトにより、最も苦労してきた、という実感があります。ネットワーク・エフェクトが強固に働いてきたものこそ、「紙と判子」だからです。

自社がクラウド契約は便利だと考えたとしても、相手先もクラウドサイン で同意してくれなければ利用はできないからです。いかに受信者側が登録・費用は不要だとしても、法務部がクラウドサイン 利用を拒んでしまえば利用することは難しいからです。

そして、数ある取引先の中からようやくクラウドサイン を利用できたとしても、紙とクラウドの2元管理の問題が出てきてしまいます。

「紙と判子」の強固なネットワーク・エフェクトにより、クラウドサイン の潜在的利便性は思ったよりも発揮することが難しかったという事業1年目の感触がありました。どの会社も、ネットワーク・エフェクトの初期ユーザーにはなりたくないのも当然のことだと、振り返って思います(それでもありがたいことに、大企業の方々に導入していただけたのですが、それはまた別のサイドストーリー)。

しかしながら、このネットワーク・エフェクトの壁は、3年間事業活動を行った今、強固な「クラウドサイン網」へと変わりつつあると手応えを掴んでいます。

この半年間の軌跡を、少しだけ紹介させてください。クラウドサイン のメンバーの発信によるものです。

クラウドサイン 上半期の活動

まず、機能面では5ヶ月間で21個の機能リリースを行いました。事業活動も初期フェーズを超えると、セキュリティ投資を最大限におこなっているため、ユーザーのインターフェースにわかりやすく見える機能強化は遅滞するフェーズですが、セキュリティ投資をしつつ21個の機能実装となりました。

他にも様々な機能を実装しています。

そして、ユーザーから評判のよかった、そしてクラウドサイン らしいアウトプット。これからのロードマップも全てユーザーに開示するプロダクトロードマップのオープン化も行いました。

そして、これらのユーザーと日々対峙し、ユーザー様の活動をサポートしているのは営業とカスタマーチームです。

カスタマーサポートでは、中央値53秒で回答しつつ、満足度90%以上もの質の高い回答ができるようになりました。人数も去年から3倍のチームとなり、今後も新たなミッションを追ってもらう事業の源泉です。

このような活動をしていたら、様々な企業からカスタマーサクセスを教えて欲しいとお声がけいただくようになり、いつの間にか登壇機会が多くなってきました。

セールスも、超のつくほど大企業からの問い合わせの数々をこなしながら、販売だけでなく、ユーザーの声をプロダクトチームに届ける難しいミッションをこなしています。ユーザーの声は声の大きさだけでなく、その背後にある本当に困ったことを正確に届けることは意外に難しいのです。

クラウドサイン のマーケティング活動はユニークです。SNS広告、リスティング、展示会、オウンドメディアといった様々なマーケティング活動に加えて、法務部の皆様に寄り添う、が一貫したテーマでした。

代表例が、甲と乙がその場で契約交渉するタイムバトルイベント、契約書タイムバトルです。

また、固いトークイベントも開催しようと、三井住友フィナンシャルグループと共催する「Legal Tech Forum」というイベントも開催しました。

そして、ようやくマス向けの広告に着手することもできました。タクシー広告を今現在も配信中です。

クラウドサイン はデザイン面での評価も非常に高いです。まずはグッドデザイン賞のTOP100に選出いただきました。4500以上の応募の中からのTOP100です。

そして、TOP100の中から、大賞や特別賞をかけて行う公開特別賞審査会「GOOD DESIGN PRESENTATION 100」にも挑戦中です。その登壇資料は以下の通りです。

そしてパートナーアライアンスです。事業当初から自社だけでなく、それぞれの担当領域でトップの企業群とアライアンスを組むことによって、自社の強みをより最大化できるのではないかとパートナーシップを強化しています。

また、SaaS Product CrunchというイベントをSmartHRさま、スタディプラスさまと共催させていただき、クラウドサイン のパートナー戦略も開示いたしました。

そして、リーガルテック市場では、我々が先導してエコシステム作りを行うことが顧客のためになると、現在も積極的にエコシステムを形成しています。

新規事業にも着手しています。クラウドサイン 自体の価値を向上させ、かつ周辺領域で改善の余地がある業務分野はこれからも進出していきたいと思います。その一つがクラウドサイン SCANです。

これからの締結はクラウドサイン で行えるけど、過去膨大な数の契約書をどう保管すればいいか、というユーザーの声に従ったものです。契約書のスキャン作業を代行しクラウドサイン に格納することで解約率が下がることに加えて、スキャン事業単体でも利益が出るように設計しています。

自分が取り組んできたことは「チーム作り」です。適切なチーム、役割分担、権限委譲、意思決定、情報共有ができれば、そこから様々な施策と実行が行えると信じているからです。

そしてチーム作りは仕組みだけでなく、チームビルディングを支える現場のメンバーが重要です。リーダーをフォローするフォロワーシップの高い熱伝導型人材こそがチームの潤滑油になります。

まとめ

以上の活動が今期上半期(2018年4月〜9月)に行なった施策です。熱中していると直ぐに過ぎていった6ヶ月間ですが、色々なことがありました。振り返ってみれば、業界シェアも80%を超えていました。

最後に、クラウドサイン の本領はここからだと、手応えを掴んでいます。まだまだ社会全体では紙による締結が大半を占めていますが、徐々に業種や業態によってクラウドサイン は浸透してきています。

特にベンチャー企業間では、明らかにクラウドサイン の流通量が増していっています。導入企業の中には、クラウドサイン が基本で、ごくごく例外的な大企業との契約だけ判子を久しぶりに見た、という企業も少なくありません。

逆のネットワーク・エフェクトの誕生です。最近の問い合わせでは、既存クラウドサイン 顧客の取引先から、主要取引先が「紙と判子」を廃止しクラウドサインでないと契約締結しない方針と言われ、自社でもクラウドサイン を早期に検討したいとのお問い合わせが増加していっています。

その企業も導入すると、その取引先も、というバイラル性が今まさに生まれようとしているのです。

ネットワーク・エフェクトによって伸びてきたと思われたクラウドサインは、その実、ネットワーク・エフェクトによって普及が阻まれてきましたが、導入社数が3万社を超え、普及の壁を突破し、ネットワーク・エフェクトの果実をまさにこれから収穫することができる。

下半期も、上半期以上の意思決定と施策ができる体制が整っています。これからも事業活動を頑張ってまいりたいと思います。

お読みいただきありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ