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集客No.1エンターテイメントアミューズメント。東京ディズニーリゾート運営企業「オリエンタルランド」の決算を見てみる

本来スポーツビジネスの連載をしていますが、今回は少し変わり種の分析を見てみています。スポーツビジネスで重要なスタジアム建設とスタジアム周辺のホテル事業、観光事業とセットで産業は成り立っています。

以前、読売巨人軍のホームスタジアムである「東京ドーム」のビジネスモデルを解説しましたが、稼働率を上げるために様々な産業を誘致し、周辺事業であるホテル事業やアミューズメント事業を一体経営していることがわかりました。

そこで今回は番外編として、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを運営しつつ、周辺のホテル事業、鉄道事業の一体経営を最も上手く行なっていると思われるオリエンタルランドの経営状況をみていきたいと思います。すぐにはスポーツビジネスに転換することは難しくとも、参考になる点はあると考えました。

オリエンタルランドの事業構成

まず直近3年間の売上構成比を見てみましょう。

(ファクトデータをもとに、筆者が作成)

(ファクトデータをもとに、筆者がグラフ作成)

売上全体としては微増傾向が続き、売上構成のほとんどをテーマパーク事業で占めていることがわかります。正確には82.6%がテーマパーク事業、13.9%がホテル事業、その他事業として3.5%の売上構成となっています。

そのテーマパーク事業を支えているのが、東京ディズニーランドと、東京ディズニーシーとなります。これは何もチケット収益だけではありません。その構成は詳しくみていくとして、まずはセグメント毎の事業を簡単に紹介します。

■セグメント
・テーマパーク事業
  東京ディズニーランド
  東京ディズニーシー
・ホテル事業
  東京ディズニーランドホテル
  ディズニーアンバサダーホテル
  東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ
  東京ディズニーセレブレーションホテル
・その他事業
  イクスピアリ
  ディズニーリゾートライン

テーマパークを人気コンテンツとして集客しながら、遠方や海外からの客の宿泊需要を取り込むためにホテル事業を行い、同じ舞浜駅にレストランやショップを誘致するテナントビジネスも展開しています。

また、テーマパーク事業は集客したチケット収益だけではありません。

全体の売上高を見ればわかりますが、テーマパーク事業の半分がチケット収益で、そのほかはテーマパーク内での商品販売と飲食販売で構成されています。

ここからはディズニーランドの「Net Sales per Guest」の上昇戦略、「Breakdown of Guests by Region」比率変化から地方顧客、海外顧客への対応策の検討など、コンテンツで人を集客するビジネスモデルの解説をしていきたいと思います。

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・ディズニーランドの「Net Sales per Guest」
  Net Sales per Guestは5年間で110%成長
  成長の理由は飲食?グッズ?チケット?
  Net Sales per GuestとAnnual Attendance
・集客を支えるコンテンツパワー
  コンテンツパワーはパーク外からの輸入
  美女と野獣エリアに300億円以上の投資
  USJのコンテンツパワーと同様
  コンテンツが呼び込む顧客層。インバウンド需要はどの程度 ?
・スポーツビジネスに活かせそうな要素

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