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ある救急医の備忘録 カルテ1 / 真実 後編

彼女は大学生で、看護学部の学生だった。
実家は車で 2時間程度のところにあり、一人暮らしをしていた。

救急車に同乗してきたのは付き合っていた彼氏だったが、届かなかった救命処置の間に 一緒にいたという友人 2人も来院し、待合室で待っていた。

状況を確認した。

その日、彼女を含めた 4人は 20時頃から彼氏の家(一人暮らし)で飲んでいた。
その途中、思い出せないような些細なことで彼女と彼は喧嘩になった。
そして、彼女は部屋を出て行き、少ししてから彼は追いかけて出て行った。
ここまでは友人たちも同じ話だった。

この先の彼女たちのことを友人たちは見ていない。

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