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ある救急医の備忘録 カルテ5 / 嵐の前に

いつもと変わらない夜。
いつもと同じように救急搬送依頼の電話が鳴る。


今日は鳴る前の話を。

勤務する救命救急センターは 24時間 365日 新生児から高齢者までの病気やケガに対応している。
救命センターに専属の医師が 10人以上いて対応している。
しかし、これほど恵まれていることは多くない。
このような救命センターは多くの県では 数ヶ所あるかないかであろう。

とは言っても、常に患者さんを受け入れて対応するため、勤務は 12時間交代のシフト勤務になっている。
救命センター以外の業務もあるため人数のばらつきはあるが、多くの場合 昼が 5~6人、夜が 3人程度で対応している(研修医を含む)。

各勤務帯の 1人がリーダーを任される(すでに指定されている)。
リーダーは実際に診療にあたることもあるが、マネージメントにあたることが多い。
担当の割り振りやちゃんと診療がすすんでいるか、入院ベッドの確認、受け入れ状況の確認など。

今ではすっかり慣れたものの、初めの頃はつらかった。

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