見出し画像

飼わない選択

2020年からの長期自粛生活において、ペットをお迎えする方が激増しています。ペットの販売価格が高騰しており、商業的な理由からすると「迎える人が多い今は、値段を上げても売れるだろう」ということでしょうか。もともとの希少犬種なら価格が高いというのは分からなくはないですが、常に人気のある犬種の価格を上げるのはそういった理由はないでしょう。現在は少しずつ価格が落ち着いてきているようですが、まだまだ高価な印象です。

そして、そのペットブームの影でペットを捨てる方も増えています。
迎えてみたら、思っていたより大変で飼育が困難になった、などです。
もちろんそれ以外の様々な理由もあるかとは思います。ペットの迎え方については、いろいろなところで議論がなされています。
ペットショップから購入するのをやめよう、保護犬をお迎えしよう、などなど。今回のブログでは、その部分の議論は避けたいと思います。こちらはまた別の機会にしっかりと記事に出来たらと思っています。

今回はペットをお迎えするにあたって、知っておいてほしいなと思うことを書いてみたいと思います。何を用意したらいいか、などの物理的なことではなく、心の準備といいますか、そちらのほうのお話になります。

このブログをお読みになっている方は、すでにペットと暮らしておられる方も多いかと思います。また、これからお迎えしようと思っている方、今は考えていない方もおられるかもしれません。私自身は、子供のころは別として親元から独立して飼ったのは今の愛犬で3頭目になります。過去に2頭を見送ってきました。そして、新しく迎えるたびにペットを迎えるということについて責任感が大きくなっていきます。

それは、今まで暮らしたコたちに対する「こうしてあげればよかったな」という反省が頭数が増えるたびに大きくなっていくからだと思います。

画像1

今回、「ペット」という言葉を使うことに対して嫌悪感がある方もおられるかもしれません。ペットじゃない、家族だ、と。私もそのご意見には同意します。ですが、今回は犬だけでなく猫やその他いろいろな生き物を含んでいるということで、ペットという言葉を使用したいと思います。

今回のブログのタイトルが「飼わない選択」ということで、「飼わないほうがいい」とお勧めする内容なのか、と思われたかもしれませんが、そうではありません。言うまでもなく、命ある生き物と暮らすのは本当に素晴らしいことです。もちろん、楽なことばかりではありません。楽しい、嬉しい、幸せ、などの充実した毎日をペットたちに送ってもらうためには、それなりに自分の時間も割かなければなりません。それは迎える前に思っていたよりもかなり多くの時間かもしれません。

また、「ペットを飼うことで癒される」と思っていたのに、癒されるよりも大変だと思うことが多くなるかもしれません。ですが、ペットは「私たちからも癒しを与えるべき」存在だと思っています。ペットたちにとってはある日突然、私たちの生活に仲間入りさせられたわけです。なので、暮らし始めは彼らなりの不安も抱えている、と分かっていただけたらと思います。
その状態の時に、癒しばかり求められたらたまったもんじゃないですね。

とにかく、お迎えしてからは想像していたよりもずっと大変なことも多いです。言うことを聞いてくれない、トイレを覚えてくれない、思わぬタイミングでの病気の発症、性格上の問題などなど、飼う前は想像だにしていなかったことがいくつも起こります。
なので、これからペットを迎える方は、何度でもご自分に問いただしてみてください。ご家族がおられる方は、ご自分以外のご家族のご意向も一度きちんと話し合ってください。本当に一生面倒をみられるのか、ペットとの暮らしを何があっても投げ出さないか。健康的な食事や医療、衛生的な環境について、経済的に問題なくペットに提供することできるか。
また、もし万一どうしても飼えなくなったとき、今のペットの暮らしが質を含めて維持できる行き場はあるのか。これら全てにイエスと答えられない時は、ぜひ飼わないことを選択してください。

画像2

あまり深く考えずにお迎えしてしまって、万が一にも手放そうという選択肢が出てきてしまったら。もし迎えたのち、ペットがいることが幸せというよりもそうでない方が勝ってしまったら、ペットにとってはこんな不幸なことはありません。

人間は様々な関わりの中で生きています。例えば、職場、家庭、友人、など。ペットにとっては家族だけです。彼らは多くを望みません。
ただ、毎日穏やかに楽しく幸せに、家族であるあなたと過ごしたいだけなのです。それが奪われてしまうと、もう彼らには何も残りません。

私はいつも忘れてはいけないと思っています。
彼らは自分の一生をかけて私たちのそばにいてくれることを。

それでも迎えたいと思われた方へ。
ぜひ1頭(場合によっては匹、羽かも)でも多く幸せにしてあげてください。きちんと検討してからお迎えすることで、ペットにとっても、
あなたにとっても、きっと素晴らしい毎日が待っていると思います。

私は犬と暮らして何十年と経ちますが、犬がいる人生というのは
なにものにも代え難い、本当に素晴らしい時間の連続です。
私の人生に犬という宝を与えてくれて、心から感謝しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?