マガジンのカバー画像

どくだみちゃん と ふしばな

吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですがTwitterに遊びに来て感想聞かせてく… もっと読む
¥400 / 月
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

わびとさび

わびとさび

✳︎今日のひとこと90過ぎたおじいちゃんが、どうしてもまだ自宅で一人暮らしをしたい、できるところまではやってみたいと言うので、むりに施設に入れたりせず、最低限のサポートをしながらなんとか暮らしているのですが、自分がいろんな場面で「このままにしとこう」というこれまでになかった新しい感覚をたくさん持っていることに驚きました。

使いたおす

使いたおす

✳︎今日のひとことうちの子どものiPadやiPhoneの使い倒し方といったら、もう、Appleもびっくりだと思うのです。
最後の最後まで使い切ってから、息絶えて割れてただの板になってるくらいのレベルでした。
私はここまでなにかを使い倒したことがあるだろうか?と毎回本気で反省するくらいです。
これ以上メモリを使うと重くなって遅くなるのでは?とか、こんな怪しいアプリを入れたらウィルスに感染するのでは?

もっとみる
未来の世界

未来の世界

✴︎今日のひとこともう寝たきりになってしまった尊敬する元近所のおばあちゃんが、毎日の平凡なことをくりかえせたことがいちばん幸せだった、90すぎてそのことがほんとうにわかった、と言っていました。
風呂を洗う、お湯を入れる、洗濯ものを取り込む、毎日のことはとてもわずらわしいけれど、その中でしかわからないことがあるのです。
そのようなことの中でわかったことだけが、「ほんとうにわかったこと」になっていくの

もっとみる
体感

体感

✳︎今日のひとことありがたいことではあるのですが、よく「親ももの書き、姉ももの書き、才能を受け継いでいる、平和な家庭、貧困も知らない、ほんとうに恵まれている」と言われるのです。
が、もしもほんとうにそうだったら、小説家になんて絶対なってないと思います。

私も、別府倫太郎くんも、山田詠美さんも、村上龍さんも、村上春樹さんも…みんな、なにかどうにもならない欠落があって、現実に耐えられないことがあって

もっとみる